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香川県立図書館「ミハイ・チクセントミハイの経歴について」 

香川県立図書館 ミハイ・チクセントミハイの経歴について

事例作成日が 2002/07/09 になっている。現在インターネットでミハイ・チクセントミハイのことを調べると Wikipedia をはじめとしてたくさんの情報が得られる。だから現在の基準では香川県立の回答は痛すぎるくらい貧弱だ。


しかし 2002 年当時は日本語で読めるインターネットの情報が少なかったと推察される。該当する Wiki の日本語ページも存在しなかったに違いない。

事例をレファ協にアップしたものの、年月を経ればその回答は古くなる。アップ時点でわからなかったことが後に明らかになることもある。時には古い事例を読 み直し、情報を更新することも必要だろう。情報を更新してもいいのか、そのあたりのルールはレファ協の仕組みをまだ読んでいないのでわからない。回答時の リソースではここまで答えられた、という情報のほうが貴重とする考え方もある。

だが当時日本語で読めるインターネット情報が少なかったとしても、英語圏では心理学会で超有名人なのだから、2002年当時に英語で読める情報が少なかったとは考えにくい。以下数字で示すのは、香川県立の回答における重要な情報の欠落だ。

(1)創造性を flow という用語で分析することで有名だ。

この情報を欠いていることは大きなマイナス点だ。「(彼の経歴は)心理学関係の辞典等では発見できませんでした。」というのは、言い訳に聞こえる。所属図書館の辞典類でなかったら、ウェブをあたるべきだ。日本語の情報がなかったら、多言語を身につけるべきだ。

それに、「経歴」を調べてほしいのに致命的な情報の欠落がある。現在 wiki  の日本語版の該当ページには「1999年にシカゴ大学を定年退職、カリフォルニア州クレアモント大学院大学教授に就任。」とある。しかしこれも致命的な 情報欠落を呈している。私はGoogle Document のページの彼のCV(履歴書)をウェブで見つけた。ここに経歴に関して必要な情報はすべて書いてある。

(2)シカゴ大学で1960年に学士、1965年に博士号をシカゴ大から取った。

とする情報は「学者の経歴」を知りたい人にとっては必須だ。また 

(3)1965から70年まで Lake Forest College という大学で社会学・人類学の教鞭をとっていた、

というのも欠いてはならない情報だ。その点 Wiki の日本語版にも落ち度がある。

さらに(4)「1934年にフィウメ(リイェカ、当時はイタリア王国領、現在はクロアチア領)で生まれる。」という情報もほしいものだ。香川県立には「イ タリアで生まれる」とある。事実は、当時のイタリアで生まれ、現在はフィウメというクロアチアの都市で生まれる、である。

ところで、Wikipedia の記事を宿題に使うな、とは日本だけでなくいろいろな国の教育現場で指導されていることだ。しかし手っ取り早く質の高い情報であることは間違いない。

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