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2010年5月

対決・OKWave対図書館のレファレンスサービス(パート3)

対決・OKWave対図書館のレファレンスサービス(パート2)からの続きである。

辻慶太さんらの論文は面白かった。しかしパート2で引用した部分が、私の納得のいかない点だった。その一部をすでに解説したが、もう少し補足したい。

そもそも OK Wave と私は長いつきあいだ。YAHOO 知恵袋よりも長いし、依存度が大きい。実はトータルで 1,000 件以上も質問している。もっとも質問しているのはここだけではなく、あちこちで質問しまくっている。

だからOK Wave の回答のパターンがよくわかる。その一部を紹介したい。

前回の記事で紹介できなかった論点がある。それは一流の回答者は答え甲斐のある質問を選びやすいということだ。

それは難しくてほかの人が回答できない質問であったり、基本的な質問であっても聞き上手だったり、質問者の感覚が面白かったりする、などの場合だ。

いわば、簡単に答えられる質問は雑魚に任せて、自分は骨のある質問を選びやすいということだ。

私は自分のよく質問するカテゴリーで、このことを経験した。ある特定の、一流の回答者が2,3名いた。その人たちに回答してもらいたくて祈ったものだった。しかし質問の仕方を工夫しないと、その人たちが回答する気にならないのだった。

私の質問にかぎらず実際に、簡単すぎる質問は、「雑魚」の回答者が回答する傾向が強いと思う。また雑魚の回答者に限って「Google で検索したのか?」「Wikipedia は調べたのか?」などとお説教する。辻研の OK Wave の質問に対する回答にも、そういったコメントがまま見られた。それはさておき。

さて、ここで辻慶太さんの論文に戻ろう。彼らが実験のために OK Wave で質問したものを読んでほしい。それは「パート1」にリンクしてある。

簡単すぎる質問が多いのではないだろうか。私はそう感じた。実際に調べたわけではない。しかし「これは簡単に見つかりそうだな」と思った。

こういった質問は、インターネットのQ&Aサイトでは、「雑魚」の回答者が答える傾向がある。したがって一流の回答者はこういった質問を選ばないのだ。

だから、「正答率」も必然的に下がるはずなのだ。

だから、辻論文では「OK Wave 回答者のうち、レベルの劣る回答者と、図書館司書との比較」になっていないだろうか。

もう少し難しい質問を増やしていれば、結果が違ったものになるのではないだろうか。


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コンスタンツ大学にレファレンスを頼んでみよう

市川市中央図書館の受けた質問:東京大学に雇われ、地学鉱物学関係の外国人教師として勤務していた下記外国人4名の生没年月日を知りたい。Karl Schenk /モンロー/ブラウンス/ゴッチェ/

4名のうち David Brauns の生年と Karl Schenk の生没年が不詳だった。
私もインターネットでカール・シェンクのほうを調べたが、わからなかった。ただ彼がドイツから招聘された開成学校(東京大学の前身)の鉱物学の教師で、「鉱物学の父」と目される人物ということが分かった。これは誰でもたどり着く情報だと思う。

同名のスイス人首相のほうが有名ならしく、そちらのほうが多くヒットする。次は参考URLから引用する。

hartmut geerken’s aunt, helene lorch, geerken by birth, preserved large amounts of spinach for the young physicist albert einstein who, with the help of this so-called brain food, developed the theory of relativity. on his mother’s side, his great-great-uncle carl schenk (1845 - ?), engineer by profession, since 1874 he was a professor for mineralogy at tokyo university (formerly yedo) and he was appointed minister of technology by the


さて、私はどうしたものかと思い、海外のレファレンスサービスに頼ることにした。まず Harvard University の Ask a Librarian に頼んだ。結果が楽しみだ。

しかしドイツ本場のほうが回答がつきやすいと思い、コンスタンツ大学(Bibliothek der Universitaet Konstanz)のFrangen Sie uns!にも頼んでみた。以下が質問だ。ドイツ語は苦手で、しどろもどろだが意味は正確に通じるだろうと思う。

I'd like to know when a German named Karl Schenk was born and died, and what university he graduated from.

Karl Schenk was an engineer who was invited as professor of Kaisei Gakko (now Tokyo University). He served as Technology Minister. He is regarded as father of mineralogy in Japan.

I searched internet but couldn't find necessary info. Please help me. Thank you!

In germanisch: Ich möchte wissen von welcher universität Karl Schenk stammt, und wann er geboren und gestorben war.

Danke!


さて、レファレンス従事者に注目してもらいたいのはコンスタンツ大学のレファレンス申し込みフォームの画面のプルダウンメニューだ。もっともレファレンス 専用のフォームではなく、以下の単語リストからもわかるように貸し出しの延長や、貸し出し中かどうかの確認をしたり、購入リクエストをしたりコピーに関す る質問をしたり、いろいろな質問ができる。ほかの単語も各自調べてほしい。アクセス独和というオンライン辞書がある。

Fach は専門分野という意味だ。このプルダウンから専門を指定させる。その下のFormale Zuordnung で下の単語リストのような指定ができる。


Zuordnung 分類
Anschaffung 購入
Vorschlag 提案
Bestand 在庫、ストック
Anmeldung 申し込み
Verlängerung 延長
Drucker プリンター
Ausleihe 貸し出し
Vormerkung 申し込み(Anmeldung との違いは後日調べる)
Auskunft 情報

このように絞り込ませれば便利だろう。しかしその分利用者にとっては手間がかかることも確かだ。

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牛久市立中央図書館のレファレンス

牛久市立中央図書館: アメリカ文学で、「Basil March(バジル・マーチ?)」という登場人物が出てくる作品を知りたい。
もしかしたら、William Dean Howells作の『A Hazard of New Fortunes』(1890年)かも知れない。
でもハッキリしない。


結果的に、質問者の記憶は正しかった。wikipedia
しかし未解決のお粗末な回答だ。しかしレファレンス協同データベースに加盟していながらアップをほとんどしない館も多くあるなかで、アップするだけでもよしとしなければならない。

引用:

③自館OPACで「ニューヨーク拝見」を書名検索。
 →所蔵あり。確認したが、話しの一部分しか収録されていなかったので、
  後は授業で言っていた先生に確認するように伝え、レファレンス終了。


レファレンス司書として限界を露呈したのか。担当した者は司書ではないのかもしれない。司書は検索の仕方も教わるものだろう。

まず、basil march のどこかに綴りミスがあるかもしれないという前提にたって検索しなければならない。回答プロセスからは、そういった努力が見えてこない。

bazil march bagil bagile bazille bazile vazile などを試してみたのだろうか?ワイルドカード検索を試したのだろうか?そういったことがぜんぜんなされていないだろう。

検索の基本に立ち返るべきだ。司書は福島県の「うろ覚えタイトル集」を読んで、間違いのパターンを学習すべきだ。

そうでなければ牛久市民がかわいそうだ。


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クイックレファレンスの定義とはいったい...

浦安図書館によれば定義はこうなっている

クイック・レファレンス」とは、利用者からリクエストを受けたらその場で処理し、5分以内に利用者の求める資料を提供するサービスです。


一方埼玉県立図書館のウェブページで、「クイックレファレンス事例紹介』と題されたページにはこうある。

メール・電話等で寄せられたご質問のうち、48時間以内に回答できた事例を一部ご紹介します。
回答内容は、回答した時点での情報です。


『ゾウの時間 ネズミの時間』という本があるように、人が長いと感じる時間、短いと感じる時間は大きく違うものだ。しかし埼玉県立のように「48時間」もかかった回答というのはもはや「クイックレファレンス」とはいえないのではないだろうか。

実際に QuestionPoint や多くのアメリカのオンラインレファレンスでは、48時間以内に回答するように努めている。それ以上時間がかかったら伝えてくださいと予めお願いしているところも多い。これはクイックレファレンスの統計に含めていない。

国会図書館では「クイックレファレンス」をどう定義しているのだろうか?

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対決・OKWave対図書館のレファレンスサービス(パート2)

「Q&Aサイトと公共図書館レファレンスサービスの正答率比較」(辻慶太他)は面白くよませてもらった。『図書館界』通巻351号 605ページから引用する。

チャットで回答するQ&Aサイトは今のところ無い。多くの図書館の協力を前提に、チャットによる同期型DRSを実現すればより迅 速な回答ができる。またその際、図書館員が利用者に自分と同じ画面を見せる co-browsing などの説明機能を用いるならば、それにかかるコストは別として、Q&Aサイトより人気を呼ぶ可能性がある。


これを読んで、同志社今出川のレファレンスのスタイルは co-browsing というんだと知った。チャット時の co-browsing は離れた場所でのことだが、対面レファレンスで画面をふたつ、司書用と利用者用が同期で表示するというのも co-browsing と言えるだろう。あれはすごく親切な方法だ。他の大学図書館もお金に余裕があれば参考すべきだろう。同志社以外で見たことがない。


ご存知のように、チャット型レファレンスは日本では普及していない。この論文の著者がこう述べている。 co-browsing を用いたチャットレファレンスを図書館レファレンスが採用すれば「Q&Aサイトより人気を呼ぶ可能性がある」。

私はそれはないと思った。ここで想定されている「Q&Aサイト」が Livedoor ナレッジ (Livedoor Knowledge)だったら、すでに図書館レファレンスが勝っている。しかし OK WAVE や YAHOO 知恵袋 が相手なら、図書館レファレンスはずっと勝てないだろう。インターネットとはそういうものだ。

図書館レファレンスは基本的に回答者を指定する。よくてグループに指定だ。人はひとりでできることは限られている。したがってジェネラリストがどれだけ頑張って専門知識を得ようとしても、限界がある。

一方Q&Aサイトは専門家の目にも触れる。団塊の世代がどんどん退職するので、そういった方が親切に回答してくれることも多い。一方バリバリの現役と思える人からも回答がくる。

そういった意味で図書館レファレンスにはハンデがあるのだ。だから複数の館のレファレンス担当の司書が協力する必要があるのだ。あるいは国会図書館のレファ協に参加して、積極的に力を出し合うのだ。

そういった努力と工夫があって初めて、専門家も一目おく回答を提示できるのだ。

この論文は、Q&Aサイトと図書館レファレンスサービスとのあいだに大きな差は無かった(統計的有意さはなかった)と言っている。

これを読んで図書館レファレンスに従事する人はうれしくなるか、悲しくなるか。

喜んでいるばあいではないのだ。これは図書館レファレンスにハンデがあることを示唆している。

まずQ&Aサイトの回答者は、もし間違えてもだれにも怒られない。だから間違いを仮に含んでいたとしても気にしない。一方図書館レファレンスは多くが公立 なため、「仮に間違いを含んでいたとしても、それを凌駕する親切さと量の多さでカバーできる」といった考えを普通はしない。公務員は、間違いを一般の人間 より極端に恐れるものだ。だから公務員のレファレンス司書は「90点かける7(=630)」よりも「100点かける6(=600)」を志向する傾向にあ る。行政が民間に委託をしていたとしても、多かれ少なかれ傾向は同じだ。仕様書にしばられるからだ。

図書館レファレンスは回答者を指定する。回答レベルも一定の高さが求められる。質問の受理もえり好みしていられない。いわば強制の宿題である。

しかしQ&Aサイトは、自分の答えたい質問を選べる。しかも期限の強制がなく自由意志で調査に取り組める。しかも「背伸び」せず自分の知識の力量範囲で取 り組める。それに回答者は素人から専門家まで、どんな人でも回答できる。専門家の回答にはいくら図書館司書が背伸びしても届かない。

図書館レファレンスには「背伸び」してでも一定のレベルの回答が求められ、しかも期限も強制される。

どちらの方法が「のびのびと」課題に取り組めるか、明白だ。人は強制されるよりも自律的にのびのびと仕事したほうが力量を発揮できるものだ。

Q&Aの回答には「くつろいで」「背伸びしないで」「自分が回答したい質問を自由に選べて」という属性がある。前2者は「Q&Aサイトと図書館レファレンスのどちらが優秀か」というテストにとって「ハンデ」となるはずだ。しかし結果は、統計的有意さがなかった。

ということは、遮二無二に青筋立ててガンバッった図書館司書が、くつろいでコーヒーでも飲みながら、あるいはインターネットFMでも聞きながら気楽に取り組んだ人と同じくらいの正答率というのは危機感を感じてほしい結果だ。現状の、特定の司書に任せるといったスタイルでは、ますます通用しなくなるということを強く予感させるものだ。つまり、世の人がますます図書館レファレンスといった存在に存在価値を見つけにくくなるということだ。インターネットのQ&Aサイトのほうが魅力があるということだ。

私は図書館レファレンスに存在意義があると思っている。ありがたくも思っている。だから頻繁に利用するのだ。

これはインターネットに独特の「マルチポスト嫌悪」といった不文律があることと絡んでいる。これは別の記事で詳述したい。

この不文律があるため、私にとって図書館レファはなくてはならないサービスなのだ。

(パート3に続く)

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対決・OKWave対図書館のレファレンスサービス(パート1)

日本図書館研究会(NAL)というところが出している『図書館界』の351号(Vol.61 No.6)に面白い論文がある。「Q&Aサイトと公共図書館レファレンスサービスの正答率比較」(辻慶太、楳原衣恵、木川田朱美、原淳之)である。以下に OK WAVE (教えてGooもその中に含む)で彼らが実際に質問した質問とその質問者のハンドルネームを列挙する。

『古寺巡礼辞典』という辞典について。 otogi_000
おすすめの恐竜図鑑・昆虫図鑑を教えて下さい。 applepie18
サンタクロースが出てくる絵本を教えて下さい。 otogi_000
臓器移植法施行後、最初に行われた手術は、いつ・何処でですか? sugar_plum
『日本キリスト教文学』の全集について。 otogi_000
歌に詠まれた川について。 otogi_000
宮尾登美子さんの『蔵』と『夜汽車』 tanabata_7
ボルドー地方の5つの地区名とは? koikurenai
この本について教えてください! koikurenai
狂牛病の病原体を発見した学者は誰ですか centuria24
「Easy Aesop’s Fables」という本について koikurenai
合唱の団体について教えて下さい。 tanabata_7
「てぃんさぐの花」とは何の花ですか。 s0312139
超伝導体の内部現象の観察に成功した研究機関、って何処ですか? sugar_plum
短歌の上の句と作者についてお聞きします。 s0312139
『浮世絵師伝』という人名事典について。 s0312139
Chicago Tribuneという新聞の価格など centuria24
親鸞についての文献目録について。 s0312139
赤十字の旗について s0312139
『蛙の子は蛙の子』の文庫版を探しています! s0312139
蓮華拳とは何ですか。 sept23coul
改造社の探偵小説の全集について。 s0312139
パラリンピックのメダル数について sept23coul
子ども向けの星座図鑑を紹介してください。 mique_may
日本の原油生産量と輸入量の推移について sept23coul
欧米の高齢者福祉のことが書かれている本について mique_may
東北の北上運河について教えてください。 anetmonet
「シラーの美的教育の理念について」という論文について。 mique_may
ムーミン谷の地図が見たいです。 anetmonet
カラヤンの追悼記事を読みたいです。 mique_may
ピーターパンはなに人ですか。 mique_may
「転石苔を生ぜず」ということわざについてお聞きします。 mique_may
DoCoMoについて mique_may
『こどもの情景』という本について sept23coul
日本語‐チェコ語の辞書について。 otogi_000
大佛次郎賞受賞作品について。 sept23coul
“Agricultural Statstics”という農業統計書につい... sugar_plum
三奇矯って何ですか? sept23coul
考古学者の金子浩昌さんの著作目録。 tanabata_7
透明度の高い湖が知りたいです。 sept23coul
「ホワイトアウト」ってどんな本ですか? centuria24
足利尊氏の花押を見たい! sept23coul
「あひるのさんぽ」という絵本について centuria24
ノーベル賞受賞者について知りたい! anetmonet
安部公房の『壁』と『鍵』の文庫版を探しています! sugar_plum
日本の人口ピラミッドについて。 anetmonet
子ども向けの新聞や「朝日中学生ウィークリー」について koikurenai
「愛新覚羅慧生」ってどんな人か知りたい! anetmonet
「目白押し」と鳥のメジロとの関係 koikurenai
クローン羊の作出に成功した研究機関について。 anetmonet
 最初に‘冷めたピザ’という表現をした人は誰ですか。 tanabata_7
「武蔵塚」って熊本以外にありますか? anetmonet
「うんすんかるた」って何ですか? otogi_000
「青年心理学事典」という本について koikurenai
紅花についてお聞きします! koikurenai
沖縄の方言の辞書を探しています。 sugar_plum
「笠屋」について。 tanabata_7


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横浜市立図書館はすすんでる!

「図書館雑誌 2,009・10」に、れふぁれんす三題噺の横浜市中央図書館の巻が載っていた。

医療レファも行っているそうだ。

ご存知のように、医療のレファレンスは断っている図書館が多い。都立中央も医療コーナーがあるそうだが、レファもやっているのだろうか。

横浜市立は特別なのだろうか。

なんと「法情報レファレンス」もはじめているそうだ。「昨年12月に法情報コーナーができたことにより、カウンターでは法情報に関する質問が以前より増えました。」

さすがは横浜市、先進的な都市だ。


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埼玉県立図書館「スティーブ・ジョブズの発言を原文で」>本人が語ってるヨ! 

埼玉県立久喜図書館が担当した「スティーブ・ジョブス(アップルの創業者)がMACのことを「知的自転車」を志したと語った。その原文を知りたい。」というレファレンス。

スティーブ・ジョブ本人の口から問題の箇所をしゃべっているテレビのドキュメンタリーをみつけた。

Memory & Imaginationという1,990年に放送されたテレビ番組がある。その動画クリップが Youtube にたくさんアップロードされている。こちらにそのトランスクリプトがある。日本語に訳してみた。



我々の霊長類との一番の違いは道具が使えるということである。地球上の動物の動きの経済性を比較した研究の記事を読んだ。コンド ルがキロメートルあたりのエネルギー消費が一番低かった。人類は、そのリストの三分の一下がったところだった。これは不名誉だ。しかしサイエンティフィッ ク・アメリカン誌でだれかがすごいことを思いついた。自転車に載った人類とほかの動物とを比較したのだ。すると人類はリストからはみ出るくらいダントツの 1位になったのだ。

それが私にとってのコンピューターだ。コンピューターはいわば自転車のようなものだ。コンピューターは人類が生み出した一番の道具であり、人類の知性にとっての自転車のようなものだ



"I think one of the things that really separates us from the high primates is that we're tool builders. I read a study that measured the efficiency of locomotion for various species on the planet. The condor used the least energy to move a kilometer. And, humans came in with a rather unimpressive showing, about a third of the way down the list. It was not too proud a showing for the crown of creation. So, that didn't look so good. But, then somebody at Scientific American had the insight to test the efficiency of locomotion for a man on a bicycle. And, a man on a bicycle, a human on a bicycle, blew the condor away, completely off the top of the charts."

"And that's what a computer is to me. What a computer is to me is it's the most remarkable tool that we've ever come up with, and it's the equivalent of a bicycle for our minds."


これは埼玉県立の書くように Mac 以前のアップルのコンピューター(Apple II) のときに宣伝された文句でもあるが、このインタビューのなかでは特定の商品だけでなく、彼の思想のようなものがそのことばに表現されている。


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アニマシオンを職員の間で広めよう!

アニマシオンは幼児のためだけに有効なのではない。図書館職員にこそ必要なのだ。

もっとも京都精華大学の情報館のように職員の応対がすばらしい図書館には一切必要ない。必要なのは左京図書館や京都府立図書館などの図書館だ。


まず職員が、人物設定をしたうえでその人物になりきってみる。検索の仕方を知らない老人、耳の不自由な人、多感な思春期の若者、など。

あらかじめ利用者が図書館から感じる不満や要望や賞賛などをインタビューなどを通じて取得しておく。それらの挿絵を作る。

挿絵を前に職員がそれぞれのロールプレイングをする。私は利用者の役、あなたは職員の役、というふうに。

長尾浩副館長の役を演じてもいいだろう。恫喝口調で利用者に怒鳴りつける。それを演じる役がいて、それに対する反応を別の職員が追体験する。

高井主任の役を演じるのもいいアニマシオンになるだろう。OPACの仕方を尋ねても、気乗りのしない態度で、すぐに立ち去ろうとする職員を演じる。これは こうすべきじゃないでしょうか、との利用者の声に対しては不可解な笑いをするだけで何も答えず立ち去る。それに対する利用者を別の職員が演じる。

非正規職員の長谷川さんの役を演じるのもいいアニマシオンになるだろう。利用者役の職員が、予約取り置き本を職員にお願いする。このうち何冊だけ今日貸し 出しをお願いします、という時間も与えず、すべての本を貸し出し処理しようとする。もちろん笑顔はいっさいなしだ。「はやく仕事終われ!」と言わんばかり に退屈そうに演じる。

京都市立図書館の場合にはいったんバーコードで貸し出し処理をしても、やり直しができる。しかしやり直しのできず、いったん貸し出し処理をした資料は取り消せない図書館もあるようだ。その場合のロールプレイもする。

長谷川さんと対照的な糸井さんの役も演じてみよう。糸井さんは、常に利用者の反応を観察する。前回利用者が「予約取り置き本のうち、今日はこの本だけをお 願いします」と言うのを覚えていて、次にはそう対応する。「全部借りられますか?」しかし長谷川さんはいつまでたっても学習しない。

丸尾さんの役を演じるのもいい。貸し出しを行った後、利用者が後ろを向いたらすぐ別の職員にひそひそ話しをするのだ。後ろを向かなくても、利用者の視線の範囲にあるときでも平気で他の職員にひそひそ話しをする。

またレファレンスの際、レファレンス質問を聞いただけでなにもインタラクションせようとせず、ただ伝えておきますとだけ答える。もちろん気乗りのしなさそうな態度でだ。ちなみに丸尾さんは常勤職員で、レファレンスも当然仕事の範囲のはずだ。

これと対照的な役の司書も演じる。たとえば精華大学の中嶋さんみたいに、ピチピチ生き生きとしたレファ女を演じる。笑顔満載で、質問内容を明らかに、より 具体的にするためにインタラクションする。地球温暖化人為説に関する質問で、中嶋さん役の職員が「ペットボトルを燃やさないように分別してもエコにはなら ないと説く人もいます」と言って質問者の「武田なんとかという人の本は読みました。それ以外の著者の本が知りたい」という答えを引き出す見事なレファ女ぶ りを演じる。

それと対照的な司書も演じる。電話でレファを受け付ける職員の役だ。「参考資料やデータベースが充実している右京中央図書館にかけてほしかった」と嫌そうに話す職員の役を演じる。

アスニーの総務課の電話受付の職員の役もいいだろう。夕方5時以降に電話して課長補佐との会話をお願いすると、「次回からは(課長補佐のいる)5時以前にかけてください」と迷惑そうに言う。電話の内容が図書館の職員への不満だとわかると態度が豹変する職員のひとりだ。

こういった役割を演じる。それに対する感想を皆で語り合う。

こういった具体的な演技をすることで、利用者本位の図書館へと進化できるのだ。

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京都市立中央図書館の運営は大丈夫だろうか (障がい者へのいたわり)

左京区の図書館愛好家が出している「けやき」という冊子がある。この2009年11月30日発行の号に、けやき編集員と氷見博(当時)図書課長補佐、佐々木善弘(当時)業務係長らの間のインタビューが掲載されている。

けやき側は、次の提案をしている。聴覚障がい者のために、利用案内にファックスの番号も載せるべきではないか。

図書館側は、「検討します」と答えた。

しかし5月27日現在、ウェブの京都市図書館の利用案内にも、図書館のカウンターに置いてある「京都市図書館利用案内」にも、「よくある質問 Q&A」にも、一切ファックスの番号が載っていない。京都市立図書館各館のウェブページにも一切ファックス番号を載せていない。

(実際には、各館にファックスが備わっており、電話でも fax でもレファレンスサービスも受け付けることになっている。建前上は、だ。しかし館によっては、電話でレファレンスを頼むと渋い反応が返ってくる。「電話でレファレンスはあまりないのですが」。)

提案から半年だ。冊子を刷るサイクルも一巡しているはずである。

「検討します」と答えたのは多分氷見博だ。彼らのパターンはわかっている。「検討します」や「話しておきます」と答えたきり、いっさいその結果を提案者に対して答えていないのだろう。

また検討するにしても、彼らは視覚障がい者や聴覚障がい者に対して同情心がないから、検討するというのはその場しのぎの答えであって、真面目に実現しようとはしないだろう。これは以前紹介したように、門川市長についても当てはまる。

京都市立図書館の運営がいかに障がい者にとって厳しいか、の一端が窺えたと思う。

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精華大学のメンダシスタ

京都精華大学情報館は「情's People」という冊子を定期的に出している。これが結構面白いのだ。他の大学で同じくらい充実した冊子を見たことがない。

最新号には貸し出しカウンターにいることが多い前田さんという職員のインタビューがあって、面白く読んだ。彼女が前田さんという名前だとは知らなかったの だが、ここに描いてある似顔絵ですぐにわかった。本当にそっくりな似顔絵だ。前田さんはいつも爽やかな笑顔で貸し出しや返却の手続きをしてくれる。左京図 書館の長谷川や丸尾、安岡などにも見習わせたいほどだ。

さて、私はこの冊子から前田さんが隠れメンダシスタだということを知った。

そもそもメンドリスタは何かを知っていても、メンダシスタとはなにかを知らない人もいるだろう。

メンドリスタとは、調理の野菜などの素材の面取りを担当する人のことである。メンダシスタとは、面出しをする人のことである。本やCDのエッジを手前にするのではなく、表紙を表に出して人目に触れやすくすることである。

前田さんは自分の感覚で自主的に面出しを行っているそうである。京都市立中央図書館の中村さんといい、この前田さんといい、人の見ていないところで図書館の価値を上げるような行動をするのはすごく感心できる。

左京図書館の高井主任も彼女たちを見習ってほしいものだ。

<注記>中央図書館の中村さんは、上司や同僚の見えていないところで、私の質問に笑顔で的確に答えてくれた。その意味で「人の見ていないところで」と書いたのだ。

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図書館の学徒の間から発生した新しい漢字

京都精華大学には司書養成のコースがあるようだ。情報館の資格試験コーナーという小部屋があって、そこには図書館関係の資料が充実していて便利だ。

そこに図書館に関する新聞の切り抜きを集めてあるファイルがある。ぱらぱらブラウジングするだけでも参考になる。クリップとともに、司書養成の講座の学生 の感想が入っている。感想はすべて手書きだ。そこで面白いことを発見した。「図書館」の代わりに一字で次の画像のように書いてあるのだ。クリックすると元のサイズで表示します

面白いと思いながら次々と読み進めていった。するとその学生だけではなかったのだ。計7人もの学生が、「図書館」を画像のように省略していたのだ。

これは専門語(jargon)とまでは言えず、個人言語(idiosyncracy)以上のグループ言語とでも言えそうな新語である。

私は似たことを思い出した。ある大学の卒業者の物理の先生は、代数の X のことを「エッス」と読んでいた。生徒から笑いが起きていたものだ。

大学の情報科学のある講座の先生も同じ様に発音していた。同じ大学の出身者だった。

もっとも「エッス」という発音の傾向は他の単語にも見られる(インキとインクの例など)ので、所属グループの痕跡とまでは言えないかもしれない。

しかし「図書館」の例は紛れもなく痕跡を残すのだ。そういえば高校の歴史の先生も、「歴」の部首以外を省略していた。

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日本の国字を含む姓を中国語で表したいとき

先日「日本人の姓を中国語読みに変換するのは非常にやっかいなのだ、の巻」で、日本人の姓を中国語でどう表現するか、どう発音するのかの困難さを解説した。私自身も切実に知りたい問題なので、中国の方に実際に質問してみた。以下のように、実に丁寧でわかりやすい解説が返ってきたのだ。

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こんばんは。ハンズアカデミー渋谷校の張と申します。
この度は、お問合せを頂き、誠にありがとうございます。

「峠」という文字は日本で作られた国字(和製漢字)ですので、中国語には有りません。

でも、中国語では、「」という字で峠の地形を表す事が多いです。簡体字は山偏に令です。(当校のメールに簡体字は表示できません、ご了承ください。)発音はling 3声です。

だから、もし名前に「峠」と言う漢字有りましたら、意味同じである中国語の漢字「山偏に令 ling 3」で代替することが多いでしょう。読みも中国語の読みになるでしょう。

以上、ご参考ください。
宜しくお願い致します。

*******************
ハンズアカデミー 中国語学院  渋谷校
張麗
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-10-14長崎堂2F

URL:http://hansacademy.net

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前回の記事で紹介したYahoo知恵袋の回答で は、「峠」を qia3 で発音させるオンライン辞書がリンクしてあった。しかし中国人にとって、「峠」はマイナーすぎる(もともと日本人が発明した国字ではあるが)ので、意味の 似た別の字に代用させるケースのほうが多いのかもしれない。回答を総合すれば、国字を中国語で表すには以下の3パターンがあると思う。しかし決まった規則 や指針は存在しないのだろうか。

(1)意味の似た中国の字で代用する
(2)部首を取り払った中国の字で代用する
(3)日本の国字をそのまま中国で使用する

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なぜ世間の人がレファレンスサービスを図書館に頼まないかの理由

レファレンス依頼の質問の分野は人文・社会・郷土関係のものに大きく偏っているのだろうか。レファレンス協同データベースのこのページを見る限り、そうは思えない。自然科学・工学が特に目立って割合が少ないということはなさそうだ。

岩倉図書館の仲田義明氏は、文学や家政関係の質問の割合が多いと言っていた。

京都府立図書館や京都市立図書館に自然科学系質問を持っていったのは、仲田氏にその情報を聞いた後だった。京都府立の今泉というレファ女も、京都市立中央のふにゃふにゃ喋るレファ女のフニャ子も、質問を全部聞こうとせずこういって撥ね付けた。

「百科事典でお調べになったらどうですか」
「博物館へお尋ねになったんですか」

ある館が処理するレファレンスの内訳の統計を取ることもあるだろう。理工系の割合が目立って小さい館は要注意だ。職員が拒絶している可能性もある。京都府 立や京都市立中央(≠右京中央、伏見中央、醍醐中央)の場合はあからさまなケースだ。しかし表立って拒絶はしないが非言語的に嫌そうにする場合もあるだろ う。あるいは手を抜いた回答をすることもあるだろう。

もしそういった場合に遭遇したら、ユーザーは次回からどうするか。次回からは、図書館の司書にレファレンスを頼まなくなる可能性が高くなる。図書館に頼むよりも、自分でインターネットで調べたほうがいいや!と考える。

これを「悪循環」という。

図書館の司書にレファレンスを頼まないのは、以下のような原因が考えられる。

(1)最初からユーザーが図書館に頼まない場合:「図書館の司書は女性が多い。女性には理工系が少ない。したがって任せても高いレベルは望めない」と考えるケース。

このケースも結構あるに違いない。

(2)上に記した「悪循環」のケース。実際に図書館の司書に頼んでみて、撥ね付けられる。あるいは渋々受理されたものの、回答が著しく劣っているとわかった場合。

(3)そもそも「レファレンス」あるいは「参考調査業務」という概念を知らない場合。ここ十年ほどの大学生では常識なのだろうが、それ以前の学生は「レファレンス」というサービスを知らない人が多いだろう。

私は(1)と(3)に関してはやむを得ないと考える。しかし(2)は許せないと思う。そういった図書館が日本にあってはならない。

もちろん(3)に関して図書館ができることはいくつかある。カウンターに「受付」だけでなく「レファレンスサービス」も明記する、広報につとめるなどだ。

(2)に関して補足しよう。京都市立中央(≠右京中央、醍醐中央、伏見中央)と府立の理系質問の撥ね付けに関しては、以前に紹介したとおりだ。

左京図書館で、次の質問をした。「盲腸の役目を教えて」これはインターネットでも調べられるような質問だ。しかし私はレファレンスのレベルを探るためにこの質問をしてみた。

調べた文献のうち2冊にポストイットが貼ってある。その箇所を読んで、がっかりした。その2冊の箇所とも、「なぜ盲腸が存在するのか」という話とまったく関係のない箇所だったのだ。

その2冊とも割りとむずかしめの本だった。担当司書はこう思ったのかもしれない。「どうせ理解できないんでしょ。」

文献の多寡の辻褄合わせにその2冊を加えたのだろう。あるいは本当に担当司書が、読んでいる内容を理解できていなかったのかもしれない。その司書にとって、該当箇所がなんとなく盲腸の機能を説明している感じがしたので、それを加えた可能性がある。

これは司書の能力の問題でもある。しかし私は京都市立図書館20館の力で分担しようとしない運営の知恵と実行力のなさを問題視した。

少し話しが脱線する。レファレンスに関して解説したある本のことを覚えている。そのなかで、「図書館司書としてのディシプリンをまず身につける。専門知識は基本的には必要ない」といった旨のことが書かれていた。

人がひとりでできることは限られている。専門知識を得ようとすれば、時間がいくらあっても足りない。だからまず図書館司書として身に着けるべき技術を得る事が一番大事だ。それはわかっている。

しかしそれで安住してはいけないのだ。図書館司書として恥ずかしくないレベルに達したら、自分の専門性をほかにも広げる努力をすべきなのだ。

そうでなければ、左京図書館のケースのように、医学の簡単な本もろくに読みこなせず、ピントはずれの箇所にポストイットを貼り付けるといった羽目になる。

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左京図書館の職員の素描、その2

左京図書館の長谷川という非常勤職員に「OPAC端末から見える場所にNDCの表があれば便利なのに」と言ったことがある。すると長谷川さんは、具体的に何と言ったか思い出せないが、「思っているようなことは実際には実現しない」というようなことを言った。


長谷川さんは「聞いただけ」で何も上司にも伝えていないだろうし、同僚の間でそれを話し合ってもいないだろう。経験からそれがわかる。

同じく左京図書館の高井主任に、OPAC端末のすぐ横に検索の仕方などの解説を置いたほうがいい、そうでなければウェブページ上のヘルプをもっと充実させるべきだ、と言ったことがある。何年も前の話だ。

しかし今になってもぜんぜん実現していない。

私が職員ならこうする。ユーザーの感想や不満、賞賛、提案などをメモする。そして分析して自分の判断のフィルターにかけて職員会議で提案する。

しかし現実には左京図書館はぜんぜんそういったことをする気配すらない。

私はバブル初期の日本経済繁栄のわけを解説した本や、「読むクスリ」や「プロジェクトX」によって育ってきた。そういった本で、日本人の先達が日々の工夫と努力で向上してきた話を、胸をわくわくさせて読んだ。

しかし左京図書館を含めて京都市立図書館には、そういった日本を先進国に押し上げた精神を感じさせないのだ。創意工夫、改善の精神はどこにある?

左京図書館の臨時職員にも糸井さん以外の非常勤職員にも感じられることがある。ぜんぜん楽しそうに仕事をしていないのだ。

まず笑顔がない。長谷川さんにもラスカル安岡にも杉原にも笑顔はほとんど見られない。それに加えて提案もほったらかし、というのでは、奴隷も同じだ。やらされてる感が強い。館長も主任も彼女たちをリスペクトしていないからではないのか。

私はよほどキャビンアテンダント専門学校の指導教官のように指導してやりたくなったほどだ。「○○さん、えーがお!」

そんなに給料に不満なのか?給料の差が笑顔に反映しているというのだろうか。もっとも常勤職員の末摘花も、ぜんぜん笑顔がないのだが。

主任や館長の責任だろう。糸井さんがすばらしいのは組織のせいではなく、個人的にしっかりしているからだ。

糸井さんのすばらしい配慮ぶりは、別の記事で明らかにする。

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データ入力のミス?NIIのミス?

Manga Shakespeare というシリーズの "As You Like It" という本を京都精華大学から借りて読んだ。漫画でわかりやすくシェイクスピアの戯曲を翻案した本だ。まあまあ面白かったので、シリーズの別の本を借りたいと思った。

そこで LIMEDIO の検索をかけてみた。ラジオボタンを NACSIS目録に合わせて manga shakespeare と検索すると2件ヒットする。2件目をクリックする。詳細画面がでる。

しかしこの画面を見ると、これがあたかも一冊の本であるかのような誤解を与える。Webcat Plus をクリックしても所蔵館が0になっている。実際は多くの大学が所蔵しているのに。

NACSIS WEBCAT で調べると、多数の大学がそのシリーズを所蔵していることがわかる。

わたしは NACSIS で調べる前、てっきり「こんなに人気のでそうなシリーズなのに、ここの大学しか所蔵していないなんて、凄いなー」と思ってしまった。

これは目録関係のミスなのだろうか。それともミスですらないのだろうか。

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日本人の姓を中国語読みに変換するのは非常にやっかいなのね

近畿大学中央図書館「中国語で自分の名前をどう発音するのか調べたい。

近大図書館のレファは好感のもてる回答が多い。この回答もしっかり答えている。

しかし日本人の名前を中国読みにするのは、実に厄介な問題だ。実際に考えてみると悩む日本人が多分多いだろう。

たとえば「糸井さん」という日本人はどう中国語読みするのだろう。そもそも「糸」という漢字が中日辞書には存在しないのだ。

答えは「糸」を横に二つ並べて下に一本引いた  丝 si1 なのだ。だから糸井さんは丝井(スーチン)なのだ。

そのへんのマニュアルは存在するのだろうか。日本語にあって中国語に無い漢字が存在する。国字(「峠」など)もその例だ。

そういった名の中国読みをどう解決しているのか。その情報も提供できたほうが望ましい。私自身も知りたいところだ。

もし欧米人の名を中国語読みにするのなら、ルールは存在しないそうだ。だから好き勝手の漢字を使って当て字にできる。日本語はどうなのだろうか。


ところで、レファレンス協同データベースでは簡体字を表示できないのだろうか?
もしそうなら、不便じゃないだろうか。

追記:簡体字・日本語漢字変換という便利なサイトを見つけた。国字をどう発音するのかといった疑問の解決にはならないけど、とりあえず便利なサイトだ。

ヤフー知恵袋にいいQ&Aがあった。「国字は中国語でどのように表記したら良いのでしょうか?」

「峠」についても読みがでている。qia3 だそうだ。部首を取った発音をしているようだ。

同様に「畑」という国字(日本で発明された漢字)は、部首を取った「田」と同じ発音のtian2 だ。

追記:台湾人が書くブログを紹介する。たとえ康煕字典に収録されているマイナーな字であっても、部首を省略した読みを選択することが多いのか。勉強になった。

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「新字体」ではなく「簡体字」と書くべきでしょう

埼玉県立図書館 「ロマン・ロラン(1866-1944 フランスの作家)の名前の中国語(漢字:新字体でない)表記を知りたい。

回答:「インターネット情報で大学図書館(《NACSIS Webcat》及び台湾の国立大学)の所蔵資料書誌データを確認し、「羅曼・羅蘭」と判明した。」

この質問の「新字体」はおそらく質問者のことばをそのまま写したのだろう。しかしインターネットで公開するならば「簡体字ではない」としたほうが親切だ。そうでなければ「新字体」とは日本の文字改革された自体のことと思ってしまう。

もし簡体字も欲しいのなら「罗曼罗兰」だ。

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埼玉県立「破事在得意之日の意味を知りたい」  

「破事在得意之日」という言葉の意味を知りたい。中国の戒めの言葉らしい。
埼玉県立図書館は、これを未解決とした。

しかし「事の破るるは得意の日」で検索すると多数ヒットする。「逆境のときこそチャンスだ」という意味だそうだ。

昔の報知新聞より引用:
「...筆者は鮎川君に好意を持つある財界人から同君への伝言を頼まれた、それは韓退之だったと思うが次の漢詩である
成名毎在窮苦時
破事多在得意時

韓退之とは韓愈 (かんゆ)の別名だそうだ。

澁澤栄一が似た言葉を言っていたそうだ。

引用:成名毎在窮苦日、敗事多因得意時 「名を成すはつねに窮苦の日にあり、敗れること多くは得意の時による」 澁澤栄一

しかしこれは韓愈から取ってきた言葉だろうか。
オリジナルを探そうと、中国語のデータベースや Google や baidu 検索、Google Books 検索や全唐詩・宋詩検索を実施したが、恥ずかしながら見つけられなかった。見つけたら再アップする。

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ワードクラウドと聞き返し、両方ほしい?

福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」に刺激されて、大学 OPAC を比較してみた。

開高健は、「かいこうたけし」とも「かいこうけん」とも読む。しかし「かいこうたけし」のほうが正式なのだろうか。

京都大学の KULINE は富士通の ILIS を使っているようだ。「かいこうけん」を著者名に入れて詳細検索すると中国人が著した本の1冊がヒットする。書名に入れて検索すると0件だ。開高健に関す る本もしくは開高健作の本を多数所蔵しているにもかかわらず、だ。よくわからないが、これは目録を作るほうの責任なのか?それともシステムの問題なのだろ うか。

一方慶大の KOSMOS や筑波大の Tulips では「かいこうけん」でもちゃんとヒットする。しかし KOSMOS では「かいこうたけし」の検索よりもずっとヒットが少ない。やはり目録作成の問題なのだろうか。

やはり次世代 OPAC にはファセットだけではなくて、ワードクラウドが必要なのだろうか。「かいこうけん」検索をしても、現状のファセットだけだと「かいこうたけし」だともっとヒットしますよ、という喚起・提案がぜんぜん出来ていない。私は次世代OPACにはそこまで求めている。ワードクラウドで、「かいこうけん」に近接する「かいこうたけし」を目で見えるようにすることで、「あ、これはマイナーな綴りだったんだ」とわかる。

いや、そうはいっても聞き返し(Did you mean to search for...?)でもできる。複数の候補があるときの場合には、聞き返しでもワードクラウドでも対応できる。

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KOSMOSにもひらがな・漢字間の互換性はないんだね

前の記事の続きだ。慶応大学 KOSMOS で以下の検索を試してみた。

「まんが」「とうけいがく」で検索したら、4件ヒットした。
「まんが」「統計学」で検索したら、4件ヒットした。
「マンガ」「統計学」でも 4件ヒット。
しかし「漫画」「統計学」では 0件。

これはどういうことなのだろうか?

別の検索語で試してみた。

「純粋理性批判」で検索したら 104件ヒットする。(これをXとする)
「じゅんすい理性批判」なら 0件。
「じゅんすいりせいひはん」なら45件ヒットする。(これをYとする)

なぜ X の件数と Y の件数が等しくならないのだろうか?まず私は、外国語図書のせいだと思った。中国語の本かなにかを拾ったから104件なのだろう、と。しかしファセットを見ても、日本語102件、ドイツ語1件、フランス語1件だった。

よって理由がわからない。

しかし基本的には、「まんが」「とうけいがく」の検索で4件拾ったのも同じ理由からと思われる。

NACSIS Webcat でも「まんが」と「マンガ」の間の互換性はあるが「まんが」と「漫画」の互換性がないことがわかった。しかし、KOSMOS と同じく「まんが」「とうけいがく」なら「まんが」「統計学」と同じ件数だけヒット(5件)する。

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とはいってもひらがなと漢字のあいだの互換性がほしい場合もあるよね

『マンガでわかる統計学、回帰分析編』という本がある。統計学をわかりやすくマンガで解説したこのシリーズは、凄くためになるし、勉強にもなる。 Amazon のレビューを見てもわかるが、外国語(中国語や英語、多分ドイツ語など)にも翻訳されて高い評価を受けている。絶賛のコメントも多い。

筑波大学の TULIP の記事で、TULIP には「ひらがな」と「漢字」間、ないし「カタカナ」と「漢字」間の互換性がないと書いた。これは場合によっては良いことだし、場合によっては悪いことでもある。

悪い場合にあたるのがこの記事で紹介する本を探すときだ。
例の本を探し当てるために、「まんが」あるいは「マンガ」と「漫画」のすべてを試さなくてはいけない。2回検索しないといけないのだ。LIMEDIOに「ひらがな」と「カタカナ」間に互換性があることは、前述の記事で述べたとおりだ。

日本は漫画大国だ。漫画関係の書物を探しての検索をする人も多いだろう。本を探すたびに「まんが」と「漫画」の両方を入れて試さなくてはならない。

筑波大学TULIPのファセット(左のフレーム)を見ても、「まんが」と「漫画」と「マンガ」の括りの項目が見られなかった。

あいまい検索を発動して利便性が増す例と不便さが増す例を研究すべきだろう。

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筑波大学 Tulips に関して

筑波大学の Tulips で manga shakespeare と入れて検索した。

すると『非正則推測理論と情報量の概念に関する研究』という本がヒットした。書誌情報画面のどこにも manga も shakespeare の文字列が見られなかった。

また『言語文化論集 54号 2000年10月10日』もヒットした。しかし検索結果詳細画面のどこにも manga shakespeare がなかった。

『アジア(含オーストラリア)における英米文学の受容・変容(19世紀―21世紀)』
という報告書に関してもそうだ。

『文学研究論集 12号 1995/03/20』に関してもそうだ。

一番最初の資料以外は、おそらく職員のみが見れる画面では表示されているのだろう。これは仕方のないことなのだろうか。

一方 「まんが」「とうけいがく」と入力して検索したら0件だった。
しかし「漫画」「統計学」と入力して検索したら多数ヒットした。
これはミスなのか?そうではなさそうだ。試しに「しょうけいもじ」で検索しても0件だった。ということは、富士通のILIS に備わっているような漢字とひらがなの互換性はないわけだ。

「統計学」「まんが」で検索したら、39件のヒット。
「統計学」「マンガ」で検索したら、39件のヒット。
「統計学」「漫画」 で検索したら、14件のヒット。
「とうけいがく」「まんが」で検索したら、0件。

ひらがなとカタカナの互換性はあっても、漢字とひらがな間、あるいは漢字とカタカナ間の互換性はないということになる。

ひらがなと漢字の互換性のないことは、WYEIWYG (What You Enter Is What You Get)をよしとする立場からは結構なことだ。しかし LIMEDIO は「あいまい検索」を採用している。なるべく多くを拾いたい考えだと思う。ひらがなと漢字の互換性がないことは、あいまい検索を採用した背景の考えと矛盾 しているのではないだろうか。

このあたりのこと(互換性)は、Tulips のヘルプをざっと見ても見つけられなかった。きちんと書いておくべきだと思う。

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one with を検索してみた。book      
OECD environmental performance reviews のシリーズが上位に多数ヒットした。しかし詳細情報を見ても one with が見当たらなかった。なぜだろう?

注記:Tulips のことを TULIP だと思ってた。ところで Tulips って何の略?最後の ps がわからない。

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LIMEDIO のあいまい検索

LIMEDIOのヘルプのページのあいまい検索の項から引用する。

引用:
英単語の語形変化

名詞の複数形や、動詞の人称や時制による変化などを吸収します。

たとえば、「company」と「companies」、「throw」と「threw」、「quick」と「quickest」を、それぞれ同じ単語として扱います。

そこで missed と検索語に入れて検索してみた。やはり危惧していた結果がでた。図書だけで965件ヒットした。

1ページ目に、著者名が Hasnia-Sonia Missaoui  なのを拾っていた。また1ページ目にはドイツ語の Kommission をシリーズ名に含む資料もヒットしていた。

これは「あいまい検索」の欠点だろう。いや、あいまい検索自体は評価できる。検索漏れを少なくできるから。しかし余計な検索結果がわんさかと増えるのは問題だ。

もしかしたらこの問題はLIMEDIO だけではないのかもしれない。

しかしノースカロライナの大学共同の TRLN のOPAC もKOSMOSも、missed と入れて問題なく検索できた。

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バイエルン州立図書館のOPACは先進的だ

バイエルン州立図書館(Bayerische Staatsbibliothek)は WorldCat とそっくりな次世代 OPAC だ。ファセットを採用し、検索の聞き返し機能(Did you mean...?)がついている。ドイツ語で聞き返さず英語で聞き返しているということは、おそらくOCLCのシステムと共通のものを使っている可能性が ある。

そこで Vater と Väter の両方を検索してみた。さすがにドイツの図書館だけあって、Väter を入れても 上位に Vater の結果がずらりと並ぶなどということはなかった。なぜこの検索を試したかというと、単複同型の単語だからだ。同様に Töchter と Tochter でも試してみた。感動した。やはり Töchter が上位にその単語を含む書名をずらりと表示してくれた。これは当たり前に装備して欲しい機能だ。しかし日本の多くのベンダーのOPACで はこれは当たり前になっていない。

ところで、今 WorldCat で图书馆(tushuguan 注:このブログでは簡体字を表示できないようだ)を入れて検索したら最初の1ページに中国語の書がほとんどヒットせず、日本語タイトルの書が多くヒットした。慶大KOSMOS のように関連度順にソートした結果がでていれば楽なのだが。しかし WorldCat には facets がある。Language で絞ればいいのだ。Chinese で絞って万事解決した。

追記:慶大KOSMOS で globalisation の検索語で検索したら、globalization と globalisation の順序がごちゃ混ぜの結果がでた。先ほど感動したが、あれはたまたまだったのだろうか。


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LIMEDIOのあいまい検索について要望したいことが...

LIMEDIO で前方一致検索をするにはどうすればいいのだろうか。私はこの点に絞ってLIMEDIOの解説を読んだ。前方一致検索は「請求記号」でしか発動されないということなのだろうか。もし私が誤解していたならば申し訳ないが、この解説から私はそのように理解した。

ユーザーが前方一致検索を指定できないのは問題ではないだろうか。おそらく部分一致検索が前方一致検索を兼ねているとのことだろう。しかし前方一致検索を 指定したほうがヒットする件数が絞れるので必須の機能なのではないだろうか。前方一致検索の指定はILISはできるようだ。早稲田大学の WINEはデ フォルトで前方一致の書名検索ができる。

一度簡単に触れたことだが LIMEDIO の「あいまい検索」も両刃の剣だ。ある検索語から多くの資料を拾ってきて検索漏れを少なくするのは利点だ。しかしその分だけ余計な資料を拾ってくる可能性が大きくなる。

現状では「あいまい検索」によって拾ってきた資料の「ふるいわけ」機能は、おそらくついていまい。自動的に「国」と「國」のヒットを分けてユーザーに提示 したほうが便利に決まっている。同様に「ヴェニスの商人」と「ベニスの商人」をごっちゃに並べるのではく、分けて固まりで提示したほうがいい。

それだけでなく、ILISでもLIMEDIOでも中国語で tushuguan 图书馆を入れたら日本語の「図書館」を含む本がずらりとヒットするようだ。これは問題だろう。(これには誤解があった。「続きをよむ」の「追記」を参照)

次世代OPAC には WYEIWYG (What you enter is what you get) 性を重視してもらいたいものだ。

今、慶応大学のKOSMOSで検索語に 图书馆 (tushuguan 注:このブログでは簡体字は表示されない)と入れて検索してみた。感動した。デフォルトでは「関連度」順にヒットするのだが、ずばり欲しかったタイトルの本が上位にずらりと並んででてきた。奈良教育大学の使っている LINUS も筑波大学などの使っている LIMEDIO も現時点ではここまで実現できていないようだ。

追記:こちらの記事にも書くように、のちほど globalisation でKOSMOS検索したら globalization と順序がごちゃごちゃの結果がでた。たまたまだったのかもしれない。
globalisation と globalization の結果をそれぞれクラスター化して利用者に提示する機能は、おそらく実現しているシステムは今のところないのだろう。あればすごく便利だ。

追記:今LIMEDIO の詳細検索で、キーワードに「図書館」、言語に chi と入れて検索したら中国語の「図書館」のタイトルの本が検索できた。

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ILIS を使っているユーザーとして、改良してほしい点など

LIMEDIO のヘルプがインターネットにあったので興味深く読んだ。これがその目次だ。私は「前方一致検索」をLIMEDIOはどう扱っているのだろうか、ということに絞って読んでみた。

さて、早稲田大学の WINE を使っていて気づいたことがある。書名検索は前方一致検索だ。タイトル検索では部分一致もできる。昨日気づかなかったが、WINE では二重引用符検索ができる。"in and out"の検索で試してみたが、便利な機能だ。書名検索で economic と入れて検索してみた。Economic で始まる書名の他、The Economic で始まるものもある。the は特別扱いのようだ。どうやら the のみが例外だと思えるのだが、そうなのだろうか。WINEを一通り試してみて、その便利さに気づいた。

京都市立図書館が使っている富士通のILIS は「書名」検索をすると「書名」に含まれる文字列だけでなくその他諸々の付属情報の文字列まで拾ってくる。だから職員だけに表示される画面にその文字列が 表示されていたとしても、我々ユーザーの画面には一切表示されない文字列のものも多数ヒットする。だから使っていていらいらするのだ。試しにデフォルトの部分一致検索で usb と入れて検索してほしい。言っている意味がわかるはずだ。

ひどいのは、外国語の小説が日本語の小説に訳されている図書の場合だ。原題に usb という文字列が含まれているらしく、しかしその原題をユーザーの書誌詳細画面に一切表示していない図書館が多数ある。これはなんとかすべきだろう。

私は京都市立図書館にこう申し入れたことがある。OPACは、ドライバーにとってのハンドルのようであるべきだ、と。ハンドルを右に切れば右に曲がり、左 に回せば左に曲がるというのが反応としてドライバーに伝わってくる。そのような感触を与える操作性が必要だ。そうでなければ、余計な本がたくさんヒットし て、その理由がわからずイライラするし、不安にもなる。

そういった要素はOPACにとっても案外重要なことだ。次世代OPACの開発は、そういったことにも気を配って行ってほしい。なぜ

<この検索語を入れたら>
<この検索結果が返ってきたのか>

ということが利用者にわかりやすいようにしてほしい。

ダメ押しに、この例も挙げておこう。「カナブン」「糞」の検索語で 京都府図書館横断検索、K-LIB で検索してほしい。森鴎外全集が1件府立図書館のが出るはずだ。その資料詳細画面を見て、どうしてこの本がヒットしたのか、利用者にわかるように設計すべ きだ。カナブンは「仮名文」を拾ったのはわかる。しかし「糞」はどれを拾ったのだろうか?私はてっきり、「糞」をひらがなから拾ったのだろうか、と最初は 思った。経験からそのようなことはないと思うのだが、そう思って一生懸命「ふん」にあたる言葉を捜した。しかしなかった。

このあとNDL-OPACで同じ検索をしたら、「糞」でこの資料を拾った理由がわかった。K-LIBの資料詳細画面で表示されていた「内容細目注記」には続きがあったのだ。しかし利用者用の画面にはこれしか表示されていなかった。

これは問題だと思う。なぜPを入れたらQが出たのかをわかりやすく見せるような配慮がぜひ必要だろう。もしそうでないなら、HELPにこうはっきりと書くべきだ。「職員用の画面にのみ表示される文字列も書名検索で拾います」、と。

これは富士通だけの責任ではないのかもしれない。よくわからないが、もしかしたら書誌データかウェブ製作会社の責任なのかもしれない。

しかし早稲田の WINE を使ってみて、こちらの方が絞り込みやすいと思った。WINEはどこの会社のシステムを使っているのだろうか。今検索したら本「システムは米国Innovative社製の図書館システム・ソフト、INNOPACを使っています」とのことだった。

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しかし慶大KOSMOSにも...

しかし慶大 KOSMOS も完璧ではないのだろうか? "に三" と入れて検索してみた。もちろん二重引用符検索だ。するとこのような結果の資料がヒットした。「に」と「三」が隣接していない。この本もヒットした。「に」はどこにあるのだ?

一方 LIMEDIO で 「に三」検索を実施したらこの資料がヒットした。

アメリカ小説時代:小説と映画
C=E・マニー 三輪秀彦 訳

これは「あいまい検索」が作動した結果なのだろう。あいまい検索は利点もあるが、余計な検索結果が増えてしまうという欠点もあるのだろうか。この件に関してはそうだろう。

慶大KOSMOS のタグ機能もほかの図書館にもあったら便利だと思った。しかし大学だからつけていい機能なのかもしれない。

なぜなら、タグを広告の誘導に使われてしまうかもしれないからだ。

さて話を切り替えて、「森鷗外」検索問題に移ろう。この問題は私が今特別に名づけたものだ。83年JIS問題をご存知だろうか。詳しくは『図解雑学』シリーズの文字コードの本を読んで欲しい。それに関連した興味からだ。

さて慶大 KOSMOS で"森鷗外"のフレーズ検索をした。すると森鴎外の結果がずらりと上位にでた。

これは不便だ。LIMEDIO でも ILIS でも同じ様な結果だ。KOSMOS は二重引用符検索ができるといいながら、 Google のような精緻な検索はできないことになる。どうようなことが、漢字やカナを含む検索にもいえる。

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慶応大学の KOSMOS の印象

慶応大学の KOSMOS という OPAC がある。別のサイトで「次世代 OPAC という言葉があるけど、海外の大学では導入が進んでいるのでもうこの言葉はふさわしくない」という旨のことが書いてあった。ネット先進大学の慶応大学だけ あって、さすがという気がする。一方の早稲田大学のそれは、あまり使っていないが、外見はショボかった。中身はどうなのだろうか。

KOSMOS はファセットを使っている。以前記事で紹介した機能だ。さらにうれしいのは、Google のように二重引用符で括った検索ができることだ。今まで Ilis という富士通のシステムを使っていた京都市立図書館の OPAC にはこれができなくて半泣きだった。

KOSMOSとLIMEDIO を比べてみた。意地悪して、わざとストップ語で検索してみた。

(1) in and out という文字列を、まず二重引用符なしで検索した。
すると KOSMOS では二重引用符検索でないにもかかわらず、in と and と out が近接するタイトルの本を上位に出してきた。だから、in and out という順序のタイトル(つまり、欲しかったタイトルの本)が上位5位にずらりとヒットするわけだ。

しかし LIMEDIO の NACSIS 検索 では in と and と out が近接するタイトルの本を上位には出してこなかった。

(2)次にダブルクオーテーションで括っての検索を実験した。先ほどと同じ検索語, "in and out" だ。

まず LIMEDIO の NACSIS 検索。二重引用符で括っても括らなくても同じ数がヒットすることがわかった。ということは、現段階ではこの機能はないということになる。

詳細検索でタイトルに in and out を入れたが、in and out そのままの順序のタイトルが上位に来るということはなかった。

次に KOSMOS で試してみた。ずばり "in and out" そのままの順序で検索してくれた。

多くの図書館で実現してもらいたい機能だ。

早稲田大学の OPAC で二重引用符なしで in and out の文字列で検索したら、驚いた。慶大 KOSMOS の二重引用符検索と同じような結果を出してきた。
これはどういうことなのか?デフォルトで二重引用符検索なのか? そんなことはない。前方一致検索なのだという。

なるほど、こちらのほうが使いやすいかもしれない。富士通のILISの書名検索は早稲田のOPACでいうところの「キーワード検索」も兼ねている。だから ややこしいのだ。書名検索のくせに、書名にないキーワードやそのほかの細々した情報の資料を拾ってくる。だから「表示に偽りあり」なのだ。もっと表示の仕 方を考えて欲しい。それと各自治体も、検索の仕方のページをもっと工夫して、手取り足取り利用者に教えなければだめだ。多くの自治体は手を抜きすぎてい る。

別の記事で詳述するが、LIMEDIO のあいまい検索、もあいまい検索をしないオプションも与えるように工夫してほしいものだ。一回目の検索で「あいま い検索」をして、「あいまい検索を解除した検索をしますか?」と聞き返して「はい」をクリックするオプションを与える。もっとも、二重引用符検索が実現す ればそのようなことは必要ないのかもしれない。

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利用者のためにOPACを備えた最初の図書館

今、OPAC の歴史について調べている。
NYPL の現在のオンラインカタログの前身は CATNYP といったそうだ。CATALOG OF THE NEW YORK PUBLIC LIBRARY の略だそうだ。ちなみにニューヨーク公共図書館のシンボルマークはライオンだ。これは AMEDAS と並ぶアクロニムの傑作だと思う。

ところで最初に公立図書館で OPAC を導入したのはダラス公共図書館なのだろうか。Wiki には one of the first... と書いてある。ということは他の図書館かもしれないということだろうか。 Wiki の OPAC のページにはDPL に先立ちOhio State University が 1975 年に developed された、とある。develop だからといって公共の利用が開始されたとは限らない。職員だけの使用の可能性もある。

いったいどこが最初なのだろうか。

Wikipedia の Evanston Public Library の項には次のようにある。

"In 1980 the library made online public access available to its patrons along with the introduction of two new rental options: the videocassette and duplicates of best selling books."

なんと、1980年にはイリノイ州の公共図書館で一般人がOPACを使っていた。
EPLの歴史

引用:
1978
Staff begins using the new CLSI (Computer Library Services Inc.) on-line circulation system at the Main Library.

1978年にCLSIというところから購入したシステムを職員で使い始め、1980年に一般向けに実用化した。

引用:
1980
In October, Evanston Public Library patrons begin using the new online public access catalog with CLSI touch-screen terminals.

1979年8月にCLSI,INC. という会社の LIBS 100 がアメリカで商標登録されている。これが英語圏の公共図書館に広まったというのがOPACの普及のはじめだろう。

これ以前のシステムはないのだろうか?

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香川県立図書館「ミハイ・チクセントミハイの経歴について」 

香川県立図書館 ミハイ・チクセントミハイの経歴について

事例作成日が 2002/07/09 になっている。現在インターネットでミハイ・チクセントミハイのことを調べると Wikipedia をはじめとしてたくさんの情報が得られる。だから現在の基準では香川県立の回答は痛すぎるくらい貧弱だ。


しかし 2002 年当時は日本語で読めるインターネットの情報が少なかったと推察される。該当する Wiki の日本語ページも存在しなかったに違いない。

事例をレファ協にアップしたものの、年月を経ればその回答は古くなる。アップ時点でわからなかったことが後に明らかになることもある。時には古い事例を読 み直し、情報を更新することも必要だろう。情報を更新してもいいのか、そのあたりのルールはレファ協の仕組みをまだ読んでいないのでわからない。回答時の リソースではここまで答えられた、という情報のほうが貴重とする考え方もある。

だが当時日本語で読めるインターネット情報が少なかったとしても、英語圏では心理学会で超有名人なのだから、2002年当時に英語で読める情報が少なかったとは考えにくい。以下数字で示すのは、香川県立の回答における重要な情報の欠落だ。

(1)創造性を flow という用語で分析することで有名だ。

この情報を欠いていることは大きなマイナス点だ。「(彼の経歴は)心理学関係の辞典等では発見できませんでした。」というのは、言い訳に聞こえる。所属図書館の辞典類でなかったら、ウェブをあたるべきだ。日本語の情報がなかったら、多言語を身につけるべきだ。

それに、「経歴」を調べてほしいのに致命的な情報の欠落がある。現在 wiki  の日本語版の該当ページには「1999年にシカゴ大学を定年退職、カリフォルニア州クレアモント大学院大学教授に就任。」とある。しかしこれも致命的な 情報欠落を呈している。私はGoogle Document のページの彼のCV(履歴書)をウェブで見つけた。ここに経歴に関して必要な情報はすべて書いてある。

(2)シカゴ大学で1960年に学士、1965年に博士号をシカゴ大から取った。

とする情報は「学者の経歴」を知りたい人にとっては必須だ。また 

(3)1965から70年まで Lake Forest College という大学で社会学・人類学の教鞭をとっていた、

というのも欠いてはならない情報だ。その点 Wiki の日本語版にも落ち度がある。

さらに(4)「1934年にフィウメ(リイェカ、当時はイタリア王国領、現在はクロアチア領)で生まれる。」という情報もほしいものだ。香川県立には「イ タリアで生まれる」とある。事実は、当時のイタリアで生まれ、現在はフィウメというクロアチアの都市で生まれる、である。

ところで、Wikipedia の記事を宿題に使うな、とは日本だけでなくいろいろな国の教育現場で指導されていることだ。しかし手っ取り早く質の高い情報であることは間違いない。

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岩手県立・福島県立編<あなたの都道府県立図書館のレファレンスは何型?(パート3)>

岩手県立の入力フォームの但し書き

#全ての項目を入力してください。
#「ご質問」は、可能な限り具体的に記述してください。
   例 X「宮沢賢治について知りたい。」
     ○「宮沢賢治の経歴を知りたい。」
# 調査を依頼する事項について、「何で見た。」「何で読んだ。」等のヒントがあれば、お書き添え願います。

岩手県立も(1)、(2)の指定がない。

福島県立には「調査済み資料」という独立したフィールドがあるのが好感がもてる。しかし福井県立のように依頼者のレベルに応じて回答レベルを合わせるのかどうか一切不明だ。これは岩手県立についても言える。

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図書館に愛情のない人間を他部署から配属させていいのだろうか

佐々木善弘は現在図書課の課長補佐兼業務係長だ。

私は昨年の9月に中央図書館を訪れた。提案や苦情、組織批判などを市長への手紙に認めて待ったものの、いつものごとく返事がいっさい返ってこなかったため だ。それに加えて市長への手紙への門川市長からの返事には、具体的な提案は市立中央図書館に言ってくれと他人事のように書かれていたためだ。

面会は佐々木善弘、当時業務係長だった。彼は私が書いた市長への手紙を読んだと言った。同時に「わたしは行政屋ですから図書のことはあまり詳しくない」と言って巧みに私が手紙に書いた内容に対して答えるのを避けた。彼は表面的には非常に礼儀の正しい男だ。聞く態度を持っている。メモも用意して私の話をメモしていた。

しかし「来ていただいてありがとうございます」を私の去り際に述べる以外は、職員がしたことに対して職員を代表して「ごめんなさい」を言うこともしない。各種提案に対して「ありがとう」も一言も言わない。

私は以前、予約取り置き図書の間に挟む事務用の小紙片がセロファンテープで図書のプラスチックフィルム(ラミネート)に貼っていたのはよくないことだ、方 法を変えるべきだと提案していた。実際に職員が小紙片をはがすとき、大事な本のカバーが破られたのをまざまざと見たからだ。確率論になるが、そういったや り方をしていたのではカバーが痛む本がたくさん出る。セロファンテープを日常的に使う職員にとっても手の荒れの原因になるだろう。

セロファンテープに変わるやり方を考えるべきと市長への手紙に認めていた。返事はわかりました、そうしますとのことだった。しかし「ありがとう」が一切書かれていない。

提案に対して「ありがとう」を言わないことが何度もあった、と昨年9月頃市長への手紙で訴えた。その中で、私は2回くらい「ありがとう」を言わなくても私 は怒らない。しかしそれ以上続くと、これは組織に問題があるのではないか、との旨を説いた。別の記事でも述べたし、まだ記事に書いていない件もあるが、私 が職員なら絶対に「ありがとう」という状況でも職員が切れたような応対をしたことがあった。うっとおしがる職員もいた。

そういったのは問題だ、と社会学的観点から、また道徳的観点から申し上げた。それよりも、日本で教育を受けた人間の素直な感想として、間違っていると思ったからだ。

そういった内容を盛り込んだ市長への手紙を佐々木善弘は読んだと言っていた。しかし読んだだけで、何も伝わっていなかったのか。その後の彼の対応も、彼が教育委員会の人間だとは信じられないようなものだった。

そもそも図書のことは何も知らないのに、他の部署から中央図書館の業務係長に就任すること自体まちがっているという認識は職員にはないのだろうか。総務課の決定には逆らえないということなのだろうか。

左京図書館館長の横山勝は市役所の他の部署から図書館の館長になった。彼も図書館に対する愛情が少しもない。私の手紙を読んだと言っていた。私は図書館をよくするための多数の提案をした。でもまったく具体的にどう思うとか、こうすべきだ、などの意見を述べようとしない。

それどころか複数の職員の間違った対応に関して、そんな事実はありませんとの一点張りだ。なぜそんな事実はないのか、の理由をまったく言おうとしない。た だそのような事実はない、と述べて押し通す。私は職員のおかしな行動があった状況を克明詳細に記述した。しかし横山勝は「そんな事実はありません」ですべ てを通そうとする。彼は自分が組織に守られていることの安心感から、それで切り抜けられると思っている。

私は市長への手紙のなかで、次のことを申し上げた。家族など身内をかばいたくなるのは人間の自然の性だ。しかしそれでは社会はよくならない。私は社会の利 益のために、たとえ家族との関係が一時的に気まずくなっても、家族の一時的な利益よりも社会の利益を取る、といった内容だ。

しかし横山館長と長尾副館長はまさに「家族など身内をかばう」の態度だ。私が館長なら、職員を信じたい気持ちはあっても、中立に事実関係をはっきりさせようと行動する。しかし横山と長尾にはそういったプロセスがいっさいなかった。

無条件で身内を庇う行為がどれだけ社会全体に害を及ぼすだろうか。モラルハザードを引き起こすだろう。横山や長尾の行動を見た職員が、こういった力で押し 通すことができるんだ、と学習する。そういった考えを持っていたらその子供までが親の行動パターン・思考パターンを模倣する。

横山や長尾はそういった意味でいわば社会の癌のようなものだ。放っておいてはどんどん伝染するだろう。そういった人材の報告を複数にわたって詳細に受けたにも関わらず、「○○さん一人だけの意見ですから」「わたしはその場にいなかったので」といって不問に付する教育委員会の総務課にも責任はないだろうか。図書館に対して司書の資格がないどころか、愛情のかけらさえも窺えない人材を他の部署から持ってきて館長や業務係長に配置する総務課の責任はないといえるのだろうか?

ちなみに左京館長の横山、副館長の長尾、当時業務係長の佐々木善弘はすべて司書資格を持っていないはずだ。長尾に尋ねたら切れた対応をした。横山は「答えたくありません」と言った。佐々木については言わなくてもわかる。

表面的な礼儀正しさ、昇進テストの結果だけでなく図書館への愛情といった指標で人事を決定してほしいものだ。教育委員会の総務課は、他の部署から図書館への理解と愛情のまったく欠けた人間が配属された部下の職員の立場になって考えてみるべきだ。市民の気持ちを無知と無関心で踏みにじる、そういった図書に愛情のない職員を配置した責任の重さを感じ取るべきだ。

他の部署から来た人間のすべてが図書館に愛情がないと断言する気はない。岩倉の足立副館長などは、太陽のような明るさと、萌えた木々のようなみずみずしさ で、図書館に来たら必ず笑顔で挨拶してくれる。そういった人はたとえ図書館への理解に欠けていたとしても(わたしは彼女はそうだとは思わないが)、それを 埋め合わせてあり余る。

しかし確実に、しかし少なくないであろう確率で、図書館に愛情のない人間が他部署から配属されてくるのはおそらく事実だと思っている。

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醍醐図書館の美人副館長・筒井浩美がうっかり漏らした本音とは?

一昨日、醍醐図書館の副館長の筒井浩美さんに電話した。筒井さんは2年前まで岩倉図書館に主任として勤務していた職員だ。

筒井さんはCMタレントの夏帆(かほ)という若い美女が美しく齢を重ねたらああなるのだろうと思える美人である。

同時に気が強いところもある。ツンデレという言葉があるが、デフォルトではツンが目立つ人だった。以前醍醐に別件で電話したことがある。電話に応答したのは今から思えば筒井さんだったと思う。相変わらずツンで気の強いと思える人だった。

しかし私が引き下がらないタイプの人間で、同時に岩倉の足立さんのようにミルキーで陽光笑顔タイプが好きと知ってか知らずか、私の前では同じように振舞ってくれるように思える。これは私の思い込みかもしれない。とにかく私の前では優しく振舞ってくれる。

さて、一昨日の話に戻ろう。

筒井さんに、まず筒井さん自身が教育委員会の職員なのかを聞いた。次に財団法人・京都生涯学習振興財団(京都アスニー)から館長になった人は(京都市立図 書館20館中)どれくらいいるのかと尋ねた。筒井さんはアスニーの職員で、アスニーからの館長は全館中0人という回答だった。

私は「え、0人ですかー。でも、もうアスニーに委託されるようになって長いんですよね。」と言った。

筒井さんはこの質問は苦手そうだった。しかし努めて親切に振舞おうとした。

私は「アスニーから副館長になった人は筒井さんの他にいますか?誰ですか?」と聞いた。

筒井さんは「把握しておりません。中央図書館にお尋ねください」と答えにくそうに答えた。

私はさらに「右京中央の原田さんはどうですか」と聞いた。筒井さんがどう答えたか聞き取れなかった。

筒井さんの回答から、アスニーから副館長になった人はそれほど多くないだろうと想像できた。

さらに「館長が0人なのをどう思います?」と聞いた。

筒井さんは苦笑して「個人的意見ですか、それとも公式的見解ですか」と尋ねた。私はどちらも、と答えた。

筒井さんは苦笑を続け「個人的意見は言うことができません」とやはり他のアスニー職員と同じように答えた。

そもそも「個人的意見か公式的見解か」という選択肢を選ばせる以上、筒井さんの心のなかでその問題に対する「個人的意見」と「公式的見解」が異なっている ことを強く暗示するものだ。筒井さんは最終的には職員として、半公務員として<模範的>な回答をした。しかし私は目ざとくも、彼女の奥底に潜む意識を見つ けていた。

やはり不公平感を日常押し殺しているのだと思う。

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レファ協への関わりが大きいと思いっきり調査に打ち込める

以前「あなたの都道府県立図書館のレファレンスは何型?という記事を書いた。そこでは佐賀県立をS型(完全手抜き型)とみなした。

しかし、佐賀県立に限ることでは絶対ないだろう。レファレンス協同データベースに加入していない図書館でやる気のない回答を作ったり、京都府立や京都市立 中央のように理系の質問は不受理だったりという図書館が日本にはいっぱいあるだろう。レファ協に加入している図書館でもアップに熱心でない図書館はやる気 のない回答が多いのかもしれない。

図書館によってレファレンス回答の扱いは違うだろう。しかし回答を回覧して、館内のみにデータを残すという館が多いのだろうか。パソコンに打ち込まないという問題外のところもあるのだろうか。

思うに、レファ協へのコミットメントが大きい図書館ほど、レファ女の意欲を高めるのではなかろうか。日々のピアノのレッスンも、発表会という舞台があるか らこそ頑張れる。野球も甲子園という舞台があるからつらい鍛錬にも耐えられる。しかしレファレンスで発表の舞台が依頼者への回答と、館内のスタッフの回覧 のみならば、作成するほうも張り合いがなく刺激にも乏しいというものだ。

一方レファ協は日本語がわかる世界中の人でその情報を必要とする人に見てもらえる。「この県立図書館はこの分野が強いな!」と思う人も出てくるかもしれない。

また、もし仮にレファレンスの依頼者が質問したにも拘らずニーズの読み違いをして、「がんばりすぎ」て質問者が必要とする以上の情報を与えてしまうかもし れない。そのようなとき質問者ががっかりしたような表情をしたとする。それを見たレファ女のあなたが傷ついたとする。レファ協に加入していなければ、あな たは次回からニーズの見極め(質問者がどれだけ深く広く情報を知りたがっているか)に躍起になり、本業の調査業務をおろそかにしないとも限らない。深く広 く調査するのを躊躇うようになるかもしれない。

しかし仮に<依頼者>にとって<役に立たない情報>でも<他の人>には<役に立つ情報>というケースがいっぱいある。レファ協に加入していれば、質問者が 必要とする以上の情報を調べてしまったとしても、レファ協にアップできるので無駄にならないとわかっている。だから「調べたことが無駄にはならないという 安心感」が常にある。

これが私がレファ協に加入すべきと考える理由のひとつだ。

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京都市立中央図書館とリコーの提案などへの対応の違い

以前リコーに大学OPACの Limedio に関する質問を送ったと書いた。今日返事が返ってきた!
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○○様
この度はLIMEDIOへのお問合せを頂戴し有難うございました。
関西地区の営業を担当しております○○と申します。

この度はLIMEDIOへのお問合せを頂戴し有難うございました。

当社にお問合せを戴きましたのが、ゴールデンウィーク前だったかと存じます。
ご連絡が遅くなりまして申し訳ございませんでした。

さて、お問合せの検索結果につきましてですが、ご指摘のものを開発で確認させて戴きましたところ、LIMEDIOからのNII検索にあたり不具合が確認されました。

ご指摘のcopulationを始めとして最終文字が「n」「N」「1」の際に不要な検索結果
を表示しております。

NIIの検索に際しては、ローマ字化という処理を行っておりますが、そちらの不具合
と把握しております。

本件への対応は次期リビジョンアップバージョンで実施致します。

各大学様OPACへの適応に関しましては、図書館担当者様とのご相談の上でということになりますが、一時的なシステム停止も伴います為各大学での具体的な改善時期につきましては現時点でご案内することができません。

当社側で把握しておりませんでした問題点につき、ご指摘を頂戴しまして有難うご
ざいました。

さて、その他のご質問にも回答申し上げます。

・書誌情報について

大学(職員)様が作られるもの、書店等からデータで買われるもの、NII(Nacsis)からダウンロードしたものの3種をローカルDBに格納することで構成されています。

・Nacsis目録について

各大学様で作成した書誌をNIIに対しアップロードすることにより、Nacsis目録が作成されています。

他の大学はこれを流用してLIMEDIOのようなシステムに格納することでローカルのシステムを運用しています。

大学様の図書館は、そのようなデータの相互利用、資料の相互利用を前提に運営されております。

・文字のあいまい検索について

LIMEDIOでは、文字の揺れを吸収するあいまい検索という機能を用意しております。

ご指摘のようなバイオリン=ヴァイオリンや大文字、小文字入力等の表記の揺れを
同一のものとして吸収します。

登録の際にバイオリンを登録しておけば、利用者が検索時にヴァイオリンと入れられてもヒットします。

これはLIMEDIOの一つの特徴としてご案内させて戴いている機能です。

今後共ご愛顧の程、宜しくお願い致します。

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ユーザーからの質問に対して、このように親切な返事を出す会社のことを「一流企業」という。

この100倍もの情報量の提案などを京都市立図書館に何度にもわたって申し上げた。しかし Ricoh の100分の1 ほどの真摯さもない。返事すらよこさない。電話で何回も粘って氷見博に会わせるのがやっとだ。

京都市立図書館はもし民間だったなら間違いなく淘汰される。その責任は現課長補佐兼係長の佐々木善弘に負う所が大きい。

リコーの手紙をもう一度見てほしい。「ごめんなさい」も「ありがとう」もちゃんと書いてある。恐縮の限りだ。リコーのリメディオようなすばらしいシステムの享受者だからだ。

リコーの態度を京都市立中央図書館は見習ってほしい。

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次世代OPACのあれこれ

シカゴ大学の蔵書検索システム、LENS をご存知だろうか。次期OPACを採用したすぐれたシステムだ。

検索語に phuck と入れてみたら Did you mean to search for: fxxk? と出た(もちろん xxはべつの記号だ)。別に OPAC にディスっているわけではない。どういったサジェスチョンが返ってくるかに興味があるからだ。

オクラホマ州立大学のOPACに phuck と入れたらこう出た。

Oklahoma State University OPAC
Did you mean to search for: FFIEC?

どうしてこういう提案をしてきたんだろう?Googleによれば米国連邦金融機関検査協議会(Federal Financial Institutions Examination Council: FFIEC)のことだという。おそらく英語話者によっては「エフエフアイイースィー」とは読まずに「フィーク」と読む人もいるのだろう。それとの検索ミス だとOPACが判断したのだろう。でもこのようなミスする人っているだろうか?

NCSU のOPAC で phuck を入れて調べたが、こちらは提案機能はあるのにこの検索語に関しては提案してこなかった。それぞれのシステムが別の解釈を入れているようだね。


もう一度 Oklahoma State University のOPACに戻ろう。検索語に japan と入れてみると、結果は japan のすぐ近くに italy と germany がある。他の国を探すと遠くに russia があるのみで、他の国はない。たぶん三国枢軸の連想なんだろうが、やはり戦勝国の opac だからそういった本が多いんだろうか。

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香川県立図書館 vs 京都精華大学のレファレンス

埼玉県立図書館と向こうを張れるレファレンスが京都の片田舎にあった。京都精華大学のレファレンスだ。NDLレファ協にアップロードされていたのでぜひご覧あれ。「温暖化人為説と逆の説の真偽について書かれている資料を見たい。」

これと比較してほしいのが香川県立図書館のレファレンスだ。「ヒートアイランドの原因を知りたい(ヒートアイランド関連資料の紹介)」

質問者区分が空欄なので、依頼者が研究者か子供かなどの判断ができない。一応いろいろな文献にはあたったようだ。備考欄に付したインターネットのアドレス も依頼者に教えたのかどうかはこれからはちょっとわからない。だから一概にこのレファレンスが劣っているとは言いにくい。

しかしデータベースの検索がいっさいない。もちろんその図書館にデータベースがあるかどうかが大きな鍵になる。しかし県立レベルの図書館には主要なものが複数置いてあると見るべきだろう。

もう一度京都精華大学のレファレンス回答に戻ろう。レファ協にアップした情報を見てわかるように、このレファ女(ちなみに川北という)は明らかに高度な訓練を受けたレファ女だ。以下の手順を追って系統立てて調べている。

精華大学レファレンスの調査プロセス

①読売新聞記事検索
②関連資料の収集 1.読売新聞記事検索  2.朝日新聞記事検索 3.自館OPAC検索
4.雑誌記事検索(MAGAZINEPLUS)
5.雑誌記事検索(CiNii)
6.所蔵資料NDC:451~519をブラウジング
7.一部研究者が唱える地球温暖化"懐疑論"は下火へ  / 杉浦美香 地球環境 40(12)

一方の香川県立図書館のレファレンスには、こういった系統だったプロシージャーが見えてこない。こういってはなんだが、プロでなくてもできるじゃん、と言われても文句が言えないかもしれない。

もちろん依頼者にとって役に立ったかもしれない。レファレンス回答というものは、質問者の依頼の要求度によって大きく違ってくることも考慮に入れなければならない。しかしレファ協にアップされたものを読むと、レファレンス回答者の訓練度が透けて見えてくることも事実だ。

提供した文献情報の膨大なことにも驚いてほしい。

全国の読者のなかには、京都の片田舎にある、最近漫画関係で知名度は上がってきているものの、比較的知名度の低い大学のレファレンスがこんなにレベルが高 いことは知らなかった人が多いだろう。間違いなく精華大学の学生もほとんどが気づいていないだろう。他のレファレンスと比較してはじめて、その質が高いか 低いかがわかるからだ。

香川県立 対 京都精華大学。勝敗は言わなくてもわかるだろう。

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さらに次世代OPACを検証する

以下のように検索してみた。いずれも "Did you mean --?" とは訊き返してこなかった。WorldCat やはり英語話者(と、まだ未確認だが他のヨーロッパの言語?)だけに配慮して、日本語話者のことはこれっぽっちも考慮されていない。

mitsuo 16,495
mituo 209

tsuneo 8,753
tuneo 158

だから日本人が WorldCat を使うとき、ヘボン式、訓令式ともに綴りを考慮して検索語を入力しないと、潜在的に所蔵がある本にたどり着けないという不利益を被ることになる。これは大きな問題だ。

だからアメリカやイギリスに住む日本人学校は、こういったことも子供に教えたほうがいい。子供の教育を真剣に考えるなら、WorldCat に日本語話者のことも考慮するように、多文化社会の観点から提案すべきだろう。

逆に我々日本人も、日本に住む外国語話者のためのことも考慮すべきだろう。

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WorldCat で検索の実験をしてみる

京都市立図書館OPACや府立図書館OPAC,府の横断検索K-LIBにすべて共通していえるのだが、CDなどの付属資料の有無も検索できるようにはなっていない。語学や音楽、鳥の声が好きなユーザーにとって不便なことこのうえない。

しかし次世代OPACではそのような不便が解消されるそうだ。

WorldCatでlibrarian で検索したら99,302 件もでる。しかし左のフレーム(facets ファセットというらしい)を見ればその内訳があり、目的に応じて絞り込める。CDブックが欲しければこのファセットを見ればいいわけだ。

早く日本の公共図書館でもこのシステムを取り入れてほしいよネ!

次に私が岩倉図書館に提案したOPACの改善に関する実験をしてみた。WorldCatに Toshiba を入れてみたら 6,812件ヒットした。

意地悪して Tosiba と入れて検索したら8件しかでなかった。

しかし Tochiba としれ検索したら4件でたが Did you mean toshiba? とまるで Google の提案機能みたいに逆質問してきた。

Tosiba で検索したとき、聞いてこなかったじゃないか、意地悪!

と膨れてもしょうがない。英語話者にフレンドリーに作られてあるからだ。
日本人にとって "si" と "shi" は英語話者にとっての "si" と "shi" ほど大きな違いではない(こういった違い、区別を言語学では「弁別性」という)。

"si" と "shi" は日本語ではともに「し」で表わされる。「ひろし」を "Hiroshi" と発音しても "Hirosi" と発音しても問題なく通じる。しかし英語ではこうはいかないのだ。"Please do have a seat." を "have a sheat." と言ったら大変なことになる。

別の例で言おう。Ichiroで検索すると39,462件ヒットする。一方 Itiro で検索すると334件ヒットするが、例の逆質問(Did you mean Ichiro?)とは聞いてこない。これも同じ理由からだ。日本人にとっては ti も chi も「チ」だが、英語話者には大違いなのだ。

逆に日本人にとっては大違いだが英語話者にはたいした差がない例もあるだろう。

ここでまた悪戯心を発揮してみた。試しに phuck と入れてみた。すると架空の語なのに27件も返してきた。でも Did you mean xxxx? とは聞いてこなかった。世界猫さんはお上品なのかな!?

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理系の質問を断らないこと

レファレンス担当職員は、自然科学や工学分野の質問に遭遇した時、無碍に断るのではなく、受理するべきだ。

仮に受理した自分が回答を担当させられて嫌だなー、と思っても、上司にこう言うのだ。この質問はスタッフの力で解決すべきです。得意な人の力を借りるのだ。そうでなければ、レファ協に加入するがよい。

理系の質問を疎かにすること。これは日本の衰退に力を貸していることになる。かつての偉大な帝国、大英帝国が地盤沈下したのも金融に走ったためだ。アメリカが日本のバブル期に経済が比較的衰退したのも、物づくりを疎かにしたためだ。

レファレンスのスタッフに理系の人材がいない、というのは言い訳にすぎない。何のためのコンソーシアムなのだ?何のためのレファ協なのか?

日本が復活する鍵、それは理系の分野を強くすること。理系の人材を支援すること。物づくりする人を支援すること。アイデアマンを励ますこと。

それに図書館が貢献できることも大いにあるだろう。

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岩倉図書館へ検索システムへの提案を行った、その2

私は「書誌会社が手入力で打ち込んでいるんですかー。私は書誌会社ではなく富士通などのシステム供給会社の責任だと思います。」と述べた。

仲田氏は「月一回、システム会社に要望を述べて、無料でアップデートを行ってくれる。しかし根本的なシステム変更は2,3年かかるだろう」と言った。

私は「それでも構いません。要望がなくては企業は自主的に変えてくれないと思います」と述べた。

仲田氏は話をしておくことを約束してくれた。

仲田氏や足立さんにOPAC端末を前に説明していたとき、以前京都市 OPAC の検索で難儀していた検索語が今ではちゃんと検索されることに気づいた。「レクィエム」と「レクイエム」の互換性がなく、探している本が見つか らず苦労した話をしようとしたのだ。仲田氏は、「以前にこのことを誰かに話しましたか?」と尋ねた。私ははい、と答えた。それは毎月一回要望をシステム会 社に申し述べるからだよ、と答えてくれた。運営からてっきり無視されていたのかと思っていた。それから何回も話す機会があったのだから、一言言ってくれて もいいのにね。

ちなみに Firefox で京都市立図書館OPACを使うと不便だとも以前伝えた。しかしこちらのほうはそのまま不便なままになっている。いつ変えるのだろう。これも2,3年後?

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右京中央図書館の凄いレファ女

もうだいぶまえ、今年の1月頃だと思うが、右京中央図書館を初めて訪れた。そのときからまだ再訪していないが、機会があったらぜひ寄ってみたいと思う。

レファレンスを4つくらいお願いした。回答は後日届いたのだが、なかなか優秀だった。右京中央図書館は、京都市立中央図書館とはまったく違って、埼玉県立 図書館や岐阜県立図書館と競わせてもいい線行くだろう。埼玉県立には勝てないとは思うが、でもなかなかよかった。文献をしらべて、データベースをあたっ て、問い合わせ先の電話番号やファックスを付してくれた。

一日訪れただけなので何を偉そうにと思う人がいるかもしれないが、ここのレファレンスカウンターで珠玉のレファ女(「れふぁじょ」と読む。)を発見した。伊勢係員だ。


本の在り処のガイダンスをテキパキとしてくれた。レファレンスを聞くときも、聞く態度がすごく気持ちい い。ちょうど京都精華大学の中嶋さんのように、「この質問、もしかしてレファ女のあなたにとっても面白いの?」と錯覚を起こさせるように、興味をもってい るかのような反応で質問を聞いてくれる。

伊勢係員の横にいたレファ女はその日たまたま以前私が左京を通じて質問した件について調べている最中だった。そのレファ女がちょうど『骨単』を持っていた ので補足質問をしようとその人に話しかけた。このレファ女も人の目を見て話さないタイプで、相槌も打たないので「この人、話聞いているのだろうか」と不安 にさせられる。回答内容が優秀なので根に持っているわけではないが、こういうレファ女もいるのだなと思った。

ちなみに質問者の顔を見ないでパソコンの画面ばかりみて質問を聞くのは左京図書館の主任、高井さんだ。これは一度ばかりではない。もっともこれには理由があって、私が高井さんの対応のまずさについて詳細な報告を送ったからだ。これは機会があれば詳細に記述しようと思う。

伊勢係員のさわやかな応対は他の職員と比べなくても気持ちいいのだが、他の職員の実態と比べるとその良さが浮き出るものだ。私は回答を受け取るとその優秀さを認識し、右京図書館に電話をかけた。

その日は京都市立中央図書館に左京の長尾に関する不満を述べようと思って電話したのだが、あいにく臨時休館日で、しかたなく右京中央図書館にかけた。でもレファレンスのお礼も言おうとおもっていた。

菊川文図書館主事が電話に出た。菊川婆は「左京図書館のことは左京図書館か中央図書館で聞いてください」との答えだった。相変わらず縦割りの意識が強いね。

ここで急に話題を変えて、レファレンスの回答のレベルが高く、照会先の電話番号まで付してくれて満足していること、右京中央のレファレンスチーム全体に感 謝していること、聞き上手の伊勢さんの応対のすばらしさについて述べ、感謝の意を伝えた。すると菊川婆はわざわざご丁寧にありがとうございます、と育ちと 品のよさそうな言葉で逆に感謝してくれた。かわいい女だ。

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宿題と決めつけないで

QuestionPoint の Quality Tips の検索をしていて面白いものを見つけた。チャットでのレファレンスで、子供が宿題の質問してそれに答えているものだ。

もちろんレファレンス職員が宿題の答えを提供するのを断るのはよく理解できる。Helping Tip でもウェブサイトを提供して後は自分で答えを見つけさせろと指示している。その際なぜそのサイトを提供したかを説明し、それで解決したかを尋ねるように指導している。

そして悪いレファレンス回答の見本として実際のチャットからのトランスクリプトを載せている。これがムカつくレファ女(レファ男かもしれないが)なのだ。でも別の記事で述べた京都府立図書館のレファ女の今泉よりは、話に付き合うだけはるかにましだ。

質問What property of an oil enables it to be separated from water?油が水と分離するのは油にどのような性質があるからか?

レファ女が依頼者が宿題の回答がほしい子供だと知り、この化学のQ&Aサイトのページを挙げた。そしてそのレファ女は、それを読みなさいと言った。それでも理解できなければ、教科書、参考書を読めばわかるでしょ、でなければ先生に聞きなさい、と言った。

リンク先の解説を読んでみればわかるが、少し難しい。"non-polar" や "a neutral compound" それに "the hydrogens will not take part in hydrogen bonding" を読んでわけがわからなくなる子供がいても不思議ではない。

もしかしたらこのレファ女はこのリンク先の回答を自分で読んでもわからなかったのではないだろうか。だからそれ以上手がかりとなる情報をその子供にあげられなかったのだろうか。

現に依頼者がリンク先の回答読んでもわからないと言っているのだから、先生に聞けと一蹴するのではなくて「どの部分がわからないの?」と尋ねるべきだろ う。もし「non-polar」と答えたら電荷に関してわかりやすく解説しているサイトを見つけてあげるなりのことをしてもいい。そして「こういう検索語 で調べるといいよ」と自助努力を促すアドバイスをしてやればいい。

トランスクリプトの一部
Patron: well , i don't understand the answer that was giving to me
Librarian: Then you will need to talk with your teacher for further explanation.

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レファ女(レファ男も)に求められるのは英語力だ!の巻  

埼玉県立久喜図書館のレファレンスがレファ協のデータベースにあった。

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質問

「serendipity」という言葉の由来となった話を探している。何の本で見たのかは不明。セレンディプ[セイロン=現在のスリランカの古い呼称]に 三人の王子がいて、幸福を求めて旅に出ていろいろ経験をした。その後、思いがけないところに幸せがあった、という内容のもの。

回答

該当する資料は見つからず。数年前にも同じ質問を子ども室で受けていたが未解決だった。
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結果的には他大学の図書館(近畿大学中央図書館)の備考欄コメントでの協力を得て問題の本に辿り着いたようだ。しかし回答者に英語ができればもっとすんなり見つけられたのにと思う。

まず etymoline.com で serendipity を入れて検索する。英語の語源を調べる定番だ。
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serendipity
1754 (but rare before 20c.), coined by Horace Walpole (1717-92) in a letter to Mann (dated Jan. 28); he said he formed it from the Persian fairy tale "The Three Princes of Serendip," whose heroes "were always making discoveries, by accidents and sagacity, of things they were not in quest of." The name is from Serendip, an old name for Ceylon (modern Sri Lanka), from Arabic Sarandib, from Skt. Simhaladvipa "Dwelling-Place-of-Lions Island." Serendipitous formed c.1950.
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そこで "The Three Princes of Serendip" をウィキペディアで調べる。以下がそのものずばりの回答にあたる記述だ。英語では絶版とのこと。

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The story first came to English via a French translation, and now exists in several out-of-print translations.
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上に引用した箇所には脚注があり、こう書いてある。
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^ e.g. Remer, T. G., Ed. (1965) Serendipity and the Three Princes of Serendip; From the Peregrinaggio of 1557. University of Oklahoma Press, Norman, OK. and Hodges, E. J. (1964) The Three Princes of Serendip. Atheneum, New York.
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つまりこの脚注によるとノルマンとホッジズが著した本の和訳を探せばいいことになる。

Wikipediaの該当ページには英語とフランス語とロシア語のページしかなかった。レファレンス司書には最低の英語力くらいは身に着けておくべきだ。

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埼玉県立久喜図書館 vs 私

埼玉県立図書館が担当したレファレンスがレファレンス協同データベースに出ていた。埼玉県立らしく、いろいろな辞書をあたり、きちんと仕事をしている。調べ方マニュアルに沿ってやればこういった仕事ができるのだろう。しかしそういった基本すらできていない図書館も少なくないのではないだろうか。

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質問
「冤る」の読み方を知りたい。熊谷次郎直実が平維盛に宛てた手紙に出てきた。

回答

質問時はインターネットでの漢字検索の依頼。
《Yahoo!Japan》《goo》《msn》の辞書検索では該当せず。
《Google》では7件ヒットするが読み仮名はなし。
Webサイト《音訳の部屋》《フリー多機能辞典 ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)》《e漢字-島根県立大学》《漢ぺき君》《yomigana》《世界漢字字典》その他などを検索するが訓読みの記述なし。
『大漢和辞典 2』 エン・オンのみ。意味には「かがむ」「まがる」「うらみ」「わざわい」「ぬれぎぬ」等あるが訓読みなし。字訓索引には「かがむ」。
『角川大字源』 エン・オンのみ。意味には「かがむ」「まがる」「まげる」「ぬれぎぬ」「うらみ」。古訓 中世あた・うらみ・まがる。近世あた・うらみ・まがる。
『講談社新大字典』『学研国語大辞典』 エン・オンのみ。
『字訓』「かがむ」「まがる」。「まげる」に「冤」の文字なし。
『字統』「かがむ」「とどめ」の訓読みあり。
『日本国語大辞典』「かが・める」「まが・る」の項に「冤」の表記あり。出典は『色葉字類抄』『類聚名義抄』『倭玉篇』。
『日本古典全集』収載の『類聚名義抄』を確認する。索引から「かがむ」「まかれり」「たしなむ」。
『倭玉篇 研究並びに索引』を確認する。「あた」「うらみ」「まがる」
『色葉字類抄』『色葉字類抄研究並びに総合索引』を確認する。「かがむ」
これらの結果から『角川大字源』の古訓の「まがる」を回答する。

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私は古文はほとんどわからず、あまり大きなことは言えない。しかしこの埼玉県久喜図書館のレファレンス回答の一番最後の行がすごく気になった。いろいろな 辞書に当たって、こういった読みが載っていた。これらを総合的に判断して、古訓の「まがる」を回答する。この結論は論理的に言えばあまり説得力がない。し かし回答者がどれだけ知りたいかにもよるが、大きな助けにはなっただろう。

古語をあまり知らない私が言うのも無責任だが、少し図書館で調べた結果、私「まがる」の可能性に加えて「うらむる」とも回答したい。以下にそう思ったプロセスを解説する。

そもそも、もし質問者が本気で回答を知りたいなら、もう少し詳しい情報を書き込むべきだ。「手紙」に出てきたといっても、(1)熊谷直実が実際に平維盛に 宛てた手紙なのか、(2)江戸時代の歌舞伎の中のお話のなかに出てきた手紙なのか、(3)源平盛衰記などの古典のなかに出てきた手紙なのか、判断ができな い。だから、わたしが「まがる」に加えて「うらむる」を推したからといって、「冤る」が出現した前後の文脈がないと確信が持てない。こういった質問はでき る限り前後の文脈や背景も記述すべきだ。

近代・古典文学で私が愛用するピッツバーグ大・バージニア大学のオンラインデータベースで「冤る」を調べてみた。0件だった。しかし「冤」で調べた結果、中世からは1件のみヒットした。源平盛衰記からだ。しかし残念だがこれは熊谷直実や平維盛とはまったく関係がない。

そこで中国語辞典に当たってみることにした。漢字を深く知るには中国語を勉強するのが必須だ。下のローマ字は読みを、数字は四声を表している。

冤 yuan1

大体どの辞書も意味は「無実の罪をこうむる。(そのため)くやしい。うらむ。かたきをうつ。」といった感じだ。中世の中国語辞書を当たっていないのであま り大きくはいえないが、中国人が持つ語感はだいたいこういったものと思ってよいと思う。つまり、中世は知らないが、少なくとも現代の中国人が「冤」という 字を見たら、「屈む」「曲がる」ではなく「無実の罪を着せられてクヤシー!仇を取ってやるゾ、おのれー!」といった語感を思い浮かべる人がほとんどだとい うことだ。

たとえ辞書の定義の一番最初にでてきたものが頻度が一番上だとは限らない。この原則は特に「頻度順に定義を並べてあります」と但し書きがしてあるコーパス 辞書以外ではほとんど当てはまる。確かに「曲がる」が原義かもしれないが、そこから派生した意味のほうが頻度が大きいことは十分ありえる。

次に古語辞書で「まがる」を調べてみた。「禍る」と綴るそうだ。「わざわいを受ける。災難に遭う。」(小学館『古語大辞典』)

一旦は「曲がる」じゃないだろー、「無実の罪を着せられてうらむ」だろー、と思った。しかしこの古語辞典を調べて思い直した。「禍る」と書いて「まがる」と読ませるならばこちらも正解だろう。

次にもういちどピッツバーグ大とバージニア大学の Japanese Text Initiative に当たってみた。

うらむる 18件 

うらむ 32件 

もちろん「うらむ」の32件のなかには「うらむる」の13件をすべて含む。一方

まがる 0件
禍る 0件
禍 27件 

源平盛衰記や平家物語などのヒットもあるが、どれにも字訓でヒットしたものはなかった。

語学を学んでいて、Google検索でヒットしたものが多いほうが正しい語法だと信じている人が多い。しかし私はあくまで目安にするだけできちんと判断す るようにしている。古語のコーパス辞書は想像だが存在しないと思うので調べようがない。でも「禍る」の頻度は少ないような気がする。小学館『古語大辞典』 に「禍る」の項で載っていた定義は「葦原中国平定」 、つまり古代の文献だ。それ以外の用例はその辞書には載っていなかった。中世までこの言葉が使われていたのかどうか、気になる。

以上のプロセスから、私は「まがる」と読むのを否定できないが、「うらむる」のほうが可能性が高いと思っている。

追記:被る や被むるの可能性もある。

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クイズかそうでないかの見極めは、実際には難しいネ

前回の記事と同じくQuestionPoint のデータベースに letter を入れて検索したらこのQ&Aがあった。 質問 What eight-letter word that begins and ends with the same letter is used in France to describe a person who avoids military service by obtaining a government post that entitles him to exemption? 回答 The word is "embusque." This is from the Oxford Dictionary Online http://dictionary.oed.com/entrance.dtl これは多くの日本のレファレンスサービスがお断りしている「クイズへの回答」にあたると見なされるかもしれない。微妙だが、疑わしきは罰せずの方針からは答えようとしてあげたいものだ。 ある外国の掲示板で語法に関する質問を短期間にたくさんしたら「宿題だろ!」とか言ってしつこく苛められたことがある。もしかしたらこういった質問にもはなからクイズだと決め付ける狭量な人もいるだろう。

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ネタ質問には切り返せ!

QuestionPoint のデータベースに letter を入れて検索してみたところ面白いQ&Aがあった。
質問
愛って何?

それに対する答えも面白い。
回答

Answer:    I heard this at a meeting yesterday, and I think it encompases it perfectly.

"love is just a four-letter word" - Bob Dylan

この質問は日本のたいていの図書館では断るだろう。もししたとしても、こういったしゃれた英国の切りかえしは、日本の公立図書館ではできないんではなかろ うか。「館長決済」やなんやらで職員が萎縮して大胆な発想や洒落た切り替えしなどなかなかできないのではないかと危惧している。

日本の図書館員にも遊び心が必要だ。

そういう私はどうか?レファレンスへは面白い質問はしていないが、Q&Aサイトには数多くのくだらないネタ質問や知的なネタ質問をしてきた。ネタ なのに真面目に回答してくる人もなかにはいて、それがためになることだってあった。でも読むと多くの人に面白いはずなので、面白くてためになるだろう。こ れって学習の理想ではあるまいか。


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日本の図書館職員には assertive training が必要だろう

BNE のカタロゴ(日本のNDL-OPACに相当するスペイン国立図書館のOPAC)で司書のための本を探していて面白いタイトルの本を見つけた。The Assertive Librarian という本だ。「図書館員」と"assertive" は珍しい組み合わせだから面白い。

この本は、やはりアメリカらしく、図書館員に assertive になるよう解説した How to 本だ。アメリカでは assertive であることが理想とされている。こういった本が存在するということが驚異で、日本ではたとえばJLAがこういった本を刊行するなど想像できない。日本では 職員は上司の言ったことをはいはいと素直に実行し、自分の意見を言わないのが理想だからだ。

地方公務員法にも「上司の指示を忠実に守れ」とは書いてあるが「上司に言われなくても自発的に動き、提案し、より効果的な組織運営となるために必要なアイ デアをどんどん提案するよう心がけよ」とは一言も書いていない。したがって、passive な職員が理想とされ、assertive な職員はうっとおしがられる。組織内がそんなことだから、仮に市民から提案がなされても、迷惑がったり「伝えておきます」がせいいっぱいの言葉だったりす る。

assertive という言葉になじみのない方に解説すると、assertive のほかの人格類型には passive と aggressive がある。aggressive な人の典型が、京都市立図書館の職員にたとえて言えば左京図書館館長の横山のように怖い顔をして顔をぬーっと近づけてきたり、副館長の長尾のように恫喝口 調で話しかけて顔も横山と同じくブァーッと近づけてきたりする輩だ。passive な人は日本の図書館員にはたくさんいるから例には困らない。言われたことをきちんとやり、上司に逆らわない。しかし自分から主張しない、そういったタイプ だ。

京都市立図書館だけではないと思うが、日本にはこういった職員が多すぎて不満だ。assertive な職員が少ない。こういった assertive のマニュアル本や、向こうで盛んな assertive training といった講習が日本の図書館員には必要なのかもしれない。まだ assertive という語にピンと来ない人は、上のリンクで assertive の例として挙げていた人物を思い浮かべてほしい。マルティン・ルーサー・キングとガンジーだ。両人とも passive (non-violent) な方法で因習と戦ったので assertive だ。私も非暴力で因習と戦っているので、assertive なタイプだ。

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あなたの都道府県立図書館のレファレンスは何型?その1

まずは埼玉県立図書館のオンラインレファレンスについて検討してみよう。
(1)や(2)を依頼者に明示させる配慮はなかった。しかし依頼者の文面から判断しているのだろう。以下の2点を明らかにさせるのみだ。しかしその中の情 報から(1)か(2)の回答をすべきと判断しているようだ。あるいはすべて全力を注ぎ込んで、(2)で回答するように努力しているのかもしれない。それは 大いにありうる。これを仮に(A)型と名づけよう。常に全力回答型だ。あるいは埼玉県立は(C)型かもしれない。これははっきりと問わないまでも(1)か (2)かを推測するタイプだ。

埼玉県立:C型あるいはA型----------------------------------------------------

質問・相談などの内容 [必須]
ご質問はできるだけ詳しく、具体的にお書きください。

質問の出典や情報源・調査済み資料
その質問について、出典や情報源をお書きください。
例:「〇〇〇」という本にでていた。〇月×日の△△新聞に載っていた。など
また、既に調査済みの資料もお書きください。
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次は佐賀県立図書館の吟味に移る。
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・質問はできるだけ詳しく、具体的にお書きください。
(質問にある事柄を何でお知りになったのか など)

・調べられた資料や情報があれば必ず具体的にお書きください。
(○○という本に書かれていた など)
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ほとんど埼玉県立図書館と同じ情報だ。ここも(1)か(2)かを明示させず、回答者で判断しているようだ。完全手抜きのS型なのか、質問内容から判断するC型なのか。埼玉県立と比較した場合から判断して、佐賀県民には申し訳ないが今のところS型と判断せざるを得ない。

佐賀県立図書館:S型

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Eメールレファレンスの記入フォームには依頼者の知りたいレベルを...

秋田県在住の協会会員ハタハタくんからこんな指摘を受けた。

以前会報で、同じ質問をして埼玉県立図書館と佐賀県立図書館からどんな回答が返ってきたのかを比較した。同じ条件なのでこれはよしとしよう。

しかし対面レファレンスや日本では普及していないチャットレファレンスとを比較してみよう。これらのレファレンス方式では、回答者が依頼者に対して、依頼 者がどの程度深く、あるいは広範囲に調べてもらいたがっているかを対話によって探ることができる。訓練されたレファレンス職員ならそうするはずだ。あるい は直接そう尋ねなくても、希望の回答期限を尋ねることで、その依頼者がどれだけ深く知りたがっているかをうかがい知ることができる。

でもEメールレファレンスでは、特に回答者側が予め依頼者に、依頼者の欲しい情報レベルを指定しておくよう断り書きをしておかないと、(1)簡単に済ませるのか、(2)深くまで追求して立派にしあげるのか、判断できにくい場合があるだろう。

私がした質問は、埼玉県立図書館は(2)と判断したのだろう。しかし佐賀県立図書館はたまたま(1)と判断した可能性がある。もし依頼者が(2)の回答を期待するのならば、質問内容にそう匂わせておくか、掘り下げた回答が欲しいと明示しておくべきではないだろうか。

ハタハタ君のこの指摘は考慮・検討する価値が十分にある。したがって、日本の都道府県立図書館のオンラインレファレンスサービスの全部を一から洗い出ししてみることにした。

私が注目しているのは以下の点だ。

チャットレファレンスや対面レファレンスとは違って、質問者の知りたい情報のレベル(軽くでいいのか、深く広く欲しいのか)を質問の際に明らかにしてくだ さい、という但し書きがなされているか。あるいはフォームだとプルダウンメニューかラジオボタンでそういった指定をさせているか。

こういったことがなされていれば、都道府県立図書館のレファレンスは同じ土俵(条件)で比較・検討することができよう。

ピンとこない人にはこの例を挙げよう。小学生の軽い質問に対して、数式を使った難解な解説は必要と考えるだろうか。よほどの例外がないかぎり、そうは考えない。この場合(2)ではなく(1)でいいだろう。

しかし質問によってはどちらとも判断できない場合がある。したがって、依頼者が(2)を希望していても(1)をもとにした回答がくることがある。佐賀県立の例の場合もそうではないのか。

だから(1)か(2)かを依頼者に明示させる必要があるのである。ウェブに盛り込む情報にあなたの県の図書館のレファレンスサービスの技量の名声・悪評が掛かっているのだ。

よって、次回からはその詳細な検討に入る。


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岩倉図書館へ検索システムへの提案を行った、その1

そうそう、前回の記事のなかで、書き出しは「1週間前、岩倉図書館を訪れた」だった。このことを書くつもりだ。

京都市立図書館の OPAC を使っていて不便を感じることが多い。多くの提案を行って、少しは改善されたようだ。しかしまだまだ理想からはほど遠い。

具体例を述べよう。たとえば「バイオリン」で検索して「ヴァイオリン」を含む書がヒットしなかった経験はあるだろう。京都市OPACや大学図書館の OPACに限っていえば、「バイオリン」「ヴァイオリン」の間の互換性については問題ないようだ。つまり、どちらかで検索してもどちらもヒットする。

しかしいったいどこまでこの規則が適用されているのだろうという点が不明なままだった。Goethe Institute の記事でも述べたが、メディオテークで検索してもメディアテークを拾わないだろう。もちろんこれは、そういった文字列を含む書名があったら、の仮定だ。

こういった例は無数にある。仲田氏は「パエージャ」と「パエーリャ」との間に検索の互換性はないと言った。私は15カ国以上勉強したことがあるので、こういった例を挙げれば無数に挙げられる。

仲田氏はこう解説した。システムは京都市は富士通から購入している(ちなみに Ilis)。公立図書館には他にも日立などの電機会社がそういったシステムを供給している。一方書誌データの入力は別の会社が行っている。そういった書誌 データ会社が一冊ずつ手作業で「ヴァイオリン」と「バイオリン」の両方を入力しているのだ。

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左京図書館の職員に関して気付いたこと、その1

こういった書き方は非常に失礼なのだが、名字がわからないので許してほしいものだ。岩倉図書館には恰幅のよい職員がいる。私が行くときは貸し出しカウンターにいることが多いようだ。

その職員はとても親切で気が利く。特別にコメントするにふさわしい。

レファレンスサービスを左京図書館に依頼したことが何回かあった。通常の予約取り置き本とは別の、参考調 査用取り置き本という枠がある。おそらく1月頃だったが、岩倉図書館で本を借りた。その女性職員は、私のために参考調査資料が用意されていることを貸し出 し画面に見つけ、私にその場で、左京に参考調査用の本が来ていますよと教えてくれた。

左京に取り置き本が届いていて、岩倉にも届いている場合、そのことを指摘してくれるのはその職員に限らずよくあることだ。しかし参考調査資料に関してはこういった指摘ははじめてだったのでうれしかった。

ほかの職員と比較しなくてもそれだけでうれしかったのだが、その優しさが身にしみるのは、そうでない職員がいることがわかるときだ。

岩倉図書館を利用した同じ日の数時間後に左京図書館で予約取り置き本の貸し出しをお願いした。左京図書館には長谷川という非常勤の職員がいる。その日、貸 し出しのためのPC画面に、おそらく赤い字で、私のための参考調査取り置き本が届いているという情報が表示されているはずだった。

しかしその日、参考図書の本が左京に届いているという事実を長谷川さんは教えてくれなかった。実はその日の一週間くらい前も、もう少し前にも左京図書館にレファレンスを依頼していたことがあった。その時にも参考調査のための特別枠の本が届いていた。

長谷川さんは<参考調査のための取り置き本が届いていたとき>に、私への貸し出し手続きを何度も行っていた。しかし一度として彼女の口からそのことを告げられたことはなかった。

岩倉図書館で、例の親切さが際立つ職員から指摘されて初めて、こういう仕組みだったんだとわかった。同時に両館の職員教育の違いが浮き彫りになった。このことを詳しく別の記事で解説したい。

長谷川さんが非常勤だから注意義務を怠ったというふうには思わない。確かに臨時職員は一般職員(常勤・非常勤を含めて)よりも行き届かない点が多い傾向に ある。しかし非常に利用者への配慮ができ、その点常勤の職員よりもはるかに優れている糸井さんという非常勤職員が左京にはいる。このことは別の記事で明ら かにしたい。だからこれは一般論だ。

ひとつの例を挙げよう。左京図書館の名前を知らないある臨時職員がいる。休日に勤めることの多いその女性は、雰囲気がグリとグラに似ている。その人は、貸 し出し手続きの際,親切心を発揮してこう言った。「○○さん、『(書名)』という本の返却期限が今日です」。また「延長しましょうか」と言ったかもしれな い。

このどこが問題なのかと思う人もいるかもしれない。図書館関係者にはこの行為の何が問題なのか自明だと思う。JLAの各種声明や綱領、文科省の指針にもあ るように、図書館は利用者のプライバシーを守る義務があると考えている。借りた書名を公共の前で読み上げることは、それに抵触する。だから常勤の職員は書 名を読み上げない。

もうひとつの例を挙げよう。予約取り置き本の貸し出しをお願いしたときだ。貸し出せる資料の上限は一人10点なので、その時点であと何点借りられるかを左 京の臨時職員の安岡さんに尋ねた(こちらは雰囲気がラスカルに似ている)。ほかの職員ならば利用者カードのバーコードを読み取って「あと何冊かりられま す」と答えるところを、彼女は「お待ちください」と苦笑いした。結局待ってみたがその職員は何冊かりられるか、ということを答えなかった。そればかりか、 「全部借ります」と言わないのに安岡さんはすべて貸し出し手続きをしてしまった。「あと何冊借りられますか」という質問から「すべて借りたいわけではない んだね」と予想するだけの知恵はつけてほしいものだ。その日、私はたまたま予約取り置き本のすべてを借りるだけのカバンのスペースがあったのでよかった が、そうでない日は困っていたところだた。これに関連する糸井さんのすばらしさは別の記事で詳述する。

その職員は他にも問題行動を起こしているのだが、別の機会に譲りたい。上に挙げたものは、グリとグラさん以外のことはすべて教育委員会ないし京都アスニーに報告した。
しかし謝罪どころか返事が一切返ってこない。

とにかく今回の記事では、左京図書館がいかに職員教育をないがしろにし、図書館が果たすべき義務を怠っているかということを知っていただきたい。

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岩倉図書館の仲田館長を高く評価する

1週間ほど前、岩倉図書館に行った。ここはいつ行っても感じがいい。副館長の足立睦子さんがとても笑顔がすてきで、いつ行っても瑞々しい笑顔で挨拶してく れる。足立さんの笑顔パワーが功を奏したのか、ここの図書館には笑顔が素敵な職員が多い。大門さんも前田さんも実に気持ちのいい笑顔をもっている。

館長の仲田義明氏も実に感じのいい人間だ。岩倉図書館のウェブサイトの館長からの挨拶からも窺えるが、彼 は非常に向上心があり、市民の意見を聞く人間だ。彼と初面会したとき、自発的にためになること、図書館の運営がよくわかるように話してくれた。いろいろな 話題に及んだが、この1回目の面会のとき、レファレンスサービスの改善提案などを申し上げた。仲田氏はレファレンスサービス自体が知られていないサービス で、あまり専門的なことを問う内容の依頼自体が少ないことなどを述べた。また利用者も専門的な内容の依頼は中央図書館へ持っていく、と言った。私は利用者 の立場から私はそうではないと言い、京都市立図書館のネットワークを活用してどこの館でも均質のサービスを受けられるよう具体的な提案を行った。仲田氏は レファレンス件数自体が少ないのだから、行政は動けないと言った。しかし私はそれは鶏が先か卵が先かの話で、図書館側からの市民への働きかけ(レファレン スサービスというものを図書館は市民に提供している、という広報活動)が絶対的に不足している、これは問題だと述べた。左京図書館も岩倉図書館にも共通し て言えるのだが、受付カウンターには「レファレンス」の「レ」の字もない、とも申し上げた。「レファレンス」という言葉自体広く知られた言葉ではなく、そ の訳である「参考調査」も硬いので問題だという合意ができた。

別の日に岩倉図書館に行ってみると、臨時的にではあったが、紙の垂れ幕のようなものに毛筆かペンで「相談コーナー」だったか具体的な文言は覚えていない が、そういった印が受付コーナーの前に置かれていた。これはおそらく館長なりに私の意見を考慮してくれたのだと思っている。

実は「受付にレファレンスのレの字もない」とは岩倉図書館だけでなく左京図書館の高井主任に対しても述べていた。しかし高井主任は、中央図書館の佐々木業務係長や左京館長の横山勝、副館長の長尾浩と同じく、このことも無視した。

左京へはいっそう多文化社会となるであろう日本の図書館へ向けての提案を行ったがそれも無視された。これは別の記事で詳述する。

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愛媛県視聴覚福祉センターから心温まるメールが返ってきたのだ

愛媛県視聴覚福祉センター

はじめまして愛媛県視聴覚福祉センターの山内恵と申します。この度は折角御問合せ頂きましたのに回答が遅くなってしまい誠に申し訳ありませんでした。先ず はお詫び申し上げます。 さて、この度御問合せ頂きました「録音資料の点字シール」に関する件です。 回答にあたり、まずお断りしておくことがあります。それは、今回の回答はあくまで私ども愛媛県視聴覚福祉センター点字図書館での現状についてであるという ことです。○○様のお問い合わせでは「愛媛県の図書館」の状況を知りたいとのことでしたが、愛媛県内にも「図書館」という位置づけのものは数十箇所あり、 今回御問合せの内容に関する状況は図書館によって異なると思われます。 ちなみに私どもは点字図書館という立場で、利用の対象を視覚障害者に限定しております。 当方では録音資料としてカセットテープとCDの形態で貸出してお ります。まずカセットテープについてですが、点字シールは、収録されている書名を点字表記して各巻のラベルを貼る部分に貼っております。カセットテープの ラベル部分の長さが限られていますので、タイトルを全てではなく適宜省略した内容で表記しております。次にCDについてですが、CD-R本体に貼ることは 出来ないので、ケースに貼っております。その場合、点字で表記する内容は、書名のみとしています。  もしかしたら愛媛県は、○○様のお住まいの地域よりも随分視覚障害者福祉について遅れているのではないかと思います。一般の方も使われる録音資料に点字 表記自体しているかどうか…。その状況を把握できていない私どもも不甲斐ない限りです。  点字を使うことが出来ない視覚障害者の割合が増えてきているのは確かですが、点字が視覚障害者の情報入手手段として重要なものであることに変わりはあり ません。 ○○様のようなお気づきが、日ごろ視覚障害者福祉に携わっている立場でない方からあったこと(○○様のことをよく存じ上げないまま決め付けております が)、僭越ながら少し嬉しく感じてしまいました。みんなが「こんな状態だと、見えない人はさぞ不便だろう」という意識を持って生活するようになると、今よ りずっと視覚障害者にとって住みよい世の中になるだろうと思います。私から、○○様のお問い合わせには、十分なお答えが出来ませんでしたが、受け取った私 としては、気持ちが温かくなるというか、明日からもこの仕事を頑張らなくちゃと励まされたように感じました。この度は御問合せ頂き、ありがとうございまし た。       

愛媛県視聴覚福祉センター 山内 恵

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温かいお手紙をどうもありがとうという気持ちでいっぱいだ。京都市の門川市長をはじめ佐々木善弘業務係長や横山勝館長、長尾浩がいっさい無視したのに比べると雲泥の差だ。

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京都市醍醐中央図書館の点字シールの不備を指摘した

昨年のことだが、醍醐中央図書館のCDのケースに添付してある点字シールに盛り込むべき情報が付加されていなかったことについて、「市長への手紙」で京都市長に手紙を送った。ちなみに点字シールは京都ライトハウスが行っている。

市長への手紙

(前略)

以上長々と書かせていただきましたが、基本道徳を見直すことと、市民への奉仕の意識を高めることと、図書館法の順守などを、指示していただけたらこんなにうれしいことはありません。

最後に、先日新たに提案が浮かびました。発表させてください。市長に私がどんな人間なのか、一端を少しでも知っていただきたいのです。醍醐中央図書館所蔵 の シューベルト 歌曲集「美しき水車小屋の娘」のケースと解説書に貼ってある点字シールが平仮名に直すと以下のようになっています。

-うつくしき すいしゃごやの
むすめ- かきょくしゅー

だいごつーおーとしょかん

この点字のシールはCDのケースの表面と、解説書に同じものがそれぞれ貼ってあります。どこにも「シューベルト」に相当する点字がありません。健常者に とって、資料の著作者の情報が必要不可欠なように、目の不自由なかたにとっても必要な情報ではないでしょうか?「醍醐中央図書館」という情報は削って、著 者名に相当する作曲家名、演奏家名を点字にするほうが、視覚障害者にとっては親切なのではないでしょうか。

まだまだ社会は視覚障害者の立場に立って作られていません。図書館の録音資料に点字シールを貼っている公共図書館すら、点字図書館を除いて少ないそうです。そのなかで、
醍醐中央図書館の、CDに点字を貼るという心掛けは立派だと思います。最近借りました右京図書館の音楽CDには、点字シールが貼ってありませんでした。今後右京図書館で
点字シールを録音資料に貼ることがあるようでしたら、私の提案も検討だけでもしてみてくださるよう、ご依頼申し上げます。

長々と市長さまにお手紙を書かせていただきました。市長様の高い精神性と呼応しながら、京都市の職員の皆さまと市長さまと一緒に「共汗」しながら、今後もご提案もうしあげる
ことがあれば提案していこうと思います。どうもありがとうございました。

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静岡県点字図書館にCDに添付する情報について意見を賜った

2009年9月21日頃にある点字図書館にメールを送った。

質問

こんにちは。ある政令指定都市の市立図書館の資料で気づいたことがあります。録音資料(CDな ど)に付されている点字シールの情報に、録音資料名と所蔵館の情報がありますが肝心の作曲家名(ないしは演奏家名、本では「著者」名に相当します)の点字 が付されてありません。これは他の都市の図書館でも同じなのでしょうか?具体例としては、シューベルト作曲「美しき水車小屋の娘」というCDがあります。 点字シールには「美しき水車小屋の娘」と「○○中央図書館」のみ点字があり、肝心の「シューベルト」の点字がありません。本にとって「著者名」は命の情報 です。同様に録音資料にとっても「作曲者名または演奏者名」も大事な情報といえます。目の不自由なかたにはさぞ不便だろうと思ったのですが、他都道府県の 市町村ではどうなのか、ぜひ知りたいです。知った上で、わが市役所に手紙を送り、本にとって「著者名」に相当する情報も点字にすべきかどうか検討するよう 依頼してみようと考えています。
お手数ですが、ご回答のほど、よろしくお願いいたします。


回答
静岡県点字図書館の堂本と申します。この度はお気づきになったことをお知らせくださいましてありがとうございます。まだまだ社会は視覚障害者の立場に立っ て作られていません。いろいろなところから声を上げていただければ、全ての人にとっていい社会になっていくと、感謝の気持ちで一杯です。 さてお尋ねの件ですが、静岡県下の公共図書館に問い合わせてみました。ケースにタイトルと著者名(作曲社名)を点字表示している図書館、タイトルのみの図 書館、いずれも表示していない図書館、いろいろでした。しかし残念なことに、視覚障害者サービスを行っていない図書館も多く、全体からすると点字表示をし ていない図書館の方が多いようでした。また、点字表示はしていないが、貸出の際、代読やご希望を聞いてのレファレンス、郵送貸出などのサービスをやってい るという回答もありました。 いずれにしても利用する方にとって必要な表示方法を保障することは大切なことと思います。目の見えない方(見えにくい方)が、実際に近くの図書館に行って 好きなCDを選べ、自分で借りることができる環境が整うことが一番ベストだと思います。 そのために、点字シールを使った情報表示もその一つと思いますし、何よりも視覚障害者の立場に立った、細やかなご意見が「全ての人が利用できる図書館・視 覚障害者が利用できる図書館」をめざす大きなきっかけとなっていくことと思います。 今後とも、視覚障害についての理解と支援のため、ご協力の程、どうぞよろしくお願いいたします。


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ニューヨーク公共図書館と京都市立図書館の意気込みの違いを解説するゾ、の巻

ニューヨーク公共図書館の分館82館における1992年のレファレンス回答件数は480万件であった。特殊館の数館を除いてもこれだけ膨大の数をこなして いるのは世界でもトップだろう。ここに最新のデータを引用する。NYPL の分館 branch libraries が87館に増えていた。

REFERENCE INQUIRIES TOTALED 8.1 MILLION AND
DIRECTIONAL INQUIRIES WERE APPROXIMATELY 5.9 MILLION 


Directional inquiries とは「この本はどこにある?」といった質問に対する書架の案内のことだ。クイックレファレンスはおそらく8.1百万のほうに含まれるのだろう。メールを通 じてのサービスがこれには相当多く含まれていよう。それを差し引いても膨大な数をこなしている。まだ利用したことがないが、QuestionPoint のレファレンスの質から察して相当高いのではないかと想像する。あまり説得力ないけどね。

この数字を去年末当時課長補佐だった氷見博氏に出したら「レファレンスのカウント方法が違う」とかなんと か言い訳が先に立つ。佐賀県立にしろ秋田かどこか東北の県立図書館にしろ、NYPLの先進的な試みを真似てか、ビジネス支援のサービスを始めたりしてい る。一方で京都市立図書館のやる気のなさはなんなんだろう。

京都市立図書館のやる気のなさが窺えるもうひとつの例を挙げる。これも去年末なのだが、「京都市立図書館のイベントカレンダーを見たら、ほとんどすべてが 読み聞かせ会などの子供向けのイベントで、例えば検索の仕方などのイベントが一切ない」と氷見氏に述べた。彼はそれに対して、京都国立博物館のハプスブル ク展に京都市立図書館のパンフレットを置いて、なんとかかんとか、と言っていた。また、小学校を回って講習したりもしているそうだ。NYPDの取り組みは 菅谷明子「未来をつくる図書館-ニューヨークからの報告-」の半分くらい読んだが、それに比べて貧弱なことこの上ない。そもそも京都市立図書館の運営は基 本的に「要望を受けたら重い腰を上げる」というパッシブなもので、NYPDのように「図書館の未来はわれらが切り開く」というような鼻息の荒さは微塵も感 じられない。

京都市立は公立で、NYPLは私立だというのは言い訳に過ぎないと思う。ある程度その要素は差し引いて考える必要がある。NYPLは寄付金で多くを賄っているという要素が大きい。

しかしもっと考えるべきなのは、NYPLの社会思想だ。アクティブに、民の民力を高めようとする。アメリカ功利主義の伝統を体現し、基本発想はやはり現金なのだが、それが社会福祉を高め、社会のバイタリティを高める使命を帯びているという強い自負がある。

民の知的レベルを挙げ起業を促進し、学術を促進するという方向性は、医療費削減のためにジムを普及させる取り組みと考え方が同じだ。飽和状態の日本の国土にさらに余計な橋やダムを作る金があったら、図書館のソフト面をさらに充実させるべきだ。

多くの公共図書館がレファレンスに応じられないケースとして挙げているものをご存知だろうか。法律相談や医療相談である。高度に専門的な内容は回答に責任がもてないという理由なのだろうと思われる。

一方NYPLはどうか。一切そういった制限はないはずだ。QuestionPoint に州法に関連した質問をしたら、手取り足取り教えてくれた。あるページに行き、ここをクリックして、という風に事細かに教えてくれる。さすがアメリカと日本の違いがここに表れている。

NYPLの基本的な発想は現金だと書いた。民を教化・強化すれば長い目で見れば己にリターンが返ってくるという発想だ。実にアメリカ的な発想だ。これが彼らをナンバーワンに導いた精神の背骨だ。

京都市立図書館の運営は、そのようなバイタリティが感じられない。未来図も描けない。メールでレファレンスを受付、回答することすら理由をつけて拒む。その理由とは、何だと思いますか?

そもそも京都市立図書館はメールでのあらゆる問い合わせを拒んでいる。氷見博氏いわく、「問い合わせが増えるし、レファレンスが増える」。本音が思わずでてしまったようだ。レファレンスの件数は増えてほしくない。要するに怠けたいのである。

一方で氷見氏は、「暇な館などありません」とかいいながら、氷見氏の電話越しでは財団法人京都アスニーの職員が、われわれ二人の会話を中断するくらい大声で笑っていた。ちょうど田畑倫子係員が電話に応対した時間帯のことだ。

そのようなのんびりした職場の雰囲気が電話越しから窺えた。田畑氏自身が、大事な会話を中断するくらい大声で笑った中にいたとは断言はしない。だが閉館から1時間前くらいの人員配置できる人数から判断して、彼女が加わっていた可能性は大きいといえる。

極力楽をしたいという思いが一番の運営に対しては、図書館の未来は任せられないという声が市民から上がってきても当然の報いと言えよう。ショック療法とし て、今の財団法人への委託のあり方から、指定管理者制度への完全移行という未来図を提示したい。人件費削減にもなるし、なによりも道徳的に疑問符がつく京 都市教育委員会の手から運営が離れるのがうれしい。

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