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埼玉県立図書館のレファレンスは最高だ!

埼玉県立図書館のレファレンスは最高だゾ!  レファレンス
      
      

こ れは感だが、埼玉県立図書館のレファレンスサービスは、全国でもトップクラスかもしれない。わが協会会員は全国にいて、それぞれの都道府県立図書館のレ ファレンスの報告を受ける。そのなかで、回答の質・量ともトップクラスだ。群を抜いて高いといえるかもしれない。国会図書館の協同レファレンスへの貢献度 でもトップの図書館らしい。さすが人文・自然科学・社会科学に分担させているだけあって、レベルが高い。以下に引用するのはわが協会の埼玉在住の会員、仮 名「彩(あや)」さんを経由して依頼したレファレンスへの図書館の質問と回答である。ご堪能あれ。
質問鳥類は3本の指で立ち、人間の指の人差指、中指、薬指に相当する指以外は退化したそうです。奇蹄目は中指以外は退化したそうです。
さて問題の偶蹄目ですが、中指と薬指以外の指が退化したそうです。
率直な疑問です。なぜ「中指と人差指」ではなく「中指と薬指」が残ったのでしょうか?
ヒトである私の感覚では、薬指より人差し指のほうが器用で、物を操るのにより重要な役割を果たしているように思えます。鳥類にとって小指と親指が退化したというのも、自然に思えます。インターネット検索しましたが、解説しているサイトが見つかりませんでした。
私の疑問の解決のヒントとなる本を教えていただけないでしょうか。


回答

埼玉県立図書館のメール・レファレンスを
ご利用いただきありがとうございます。

さて、○月○日にお受けしましたご質問の
回答は以下のとおりです。
(長いので添付ファイルでもお送りします)
ご紹介した図書はすべて埼玉県立久喜図書館で
所蔵しています。

なお、ご質問等ありましたら、このメールに返信
していただくか、
埼玉県立久喜図書館 案内・相談カウンター
(連絡先は下記)までお問い合わせください。

以下の資料に関連記述がありました。
 複数の資料の記述を簡単にまとめると,「まず親指が消失し,
残った4本のうち真ん中の中指と薬指の間に足の中軸ができ,
この2本で体重を支えるようになった。
外側の人差し指と小指は退化して消失するか,小さくなり
ストッパーとして役立つようになった。」ということのようです。

①489.83イノ『イノシシは転ばない』福井栄一著 技報堂出版 
2006(101826410)
 p59「早く走ること」を追求した結果,草食獣の指
先の爪が蹄に変容し,指の本数が減った,という記述あり
p60偶蹄目の指の減少の三段階として,①親指の消失②中指と薬指の発
達(これらを「主蹄」という)③人差指と小指の消失 をあげている。
また,イノシシやウシ類,シカ,カバなどは人差し指と小指に当たる指
が測蹄として残ったが,斜面を上り下りする際にストッパーの役割を果
たす,との記述もあり。

②489/ホニ『哺乳類観察ブック』熊谷さとし/絵・文 人類文化社 2001
 p25「動物は走り屋になればなるほど,指先だけを使って走る
ようになり,指の本数も減ってくる。偶蹄目・奇蹄目ともに,まず
要らなくなったのが親指だ。そして偶蹄目では,人差し指と小指も
小さく退化していて,これは副蹄と呼ばれる。この小さな副蹄は・・
ストッパーとして役立っている。」
人間の手の4本指に例えた進み方・後退の仕方の図あり。

③489/ホニ『哺乳類の進化』遠藤秀紀著 東京大学出版会
 2002(101212157)
 p99「偶蹄目・・。ほとんどの場合,偶数本の指を備え,
足の中軸が第3指と第4指の間を徹というのが形態学的な特質で・・」
 p101 図2-20 現生のイノシシの左前肢端骨格標本写真。
「主として,第3指と第4指が,体重を支えている.」

④D487ホネ『骨から見る生物の進化』ジャン=バティスト・ド・パナフィユー/著
 河出書房新社 2008
 p176「偶蹄目はまず親指を失い,四肢の軸がややずれている。
イノシシとブタでは,足の中央に2本の長くて強力な指がある。
それより外側にある2本の指は,ずっと小さく,わずかに地面に
接する程度である。」

⑤D489/ズ『図説哺乳類の進化』ロバート・サベージ著
 テラハウス 1991(116898768)
 p207「ウシ目(偶蹄類)・・・の四肢の軸は,第三指と
第四指のあいだにあって・・・。第三紀初期のほとんどの
ものに第二指と第五指はあるが,大きさが違ったり退化したり,
・・。これらの側方の指は,すべての進化型のものでは消失するか,
機能的な意味を失ってしまう。」

【その他調査済資料】
481セ『世界の動物 分類と飼育5』偶蹄目Ⅰ(11411184)
 「蹄の特徴」(p1~2)の項に進化の説明はあるが,理由は記述なし。
489.85ウシ『ウシの動物学』(10098323)
 逃走に関する蹄の説明(p49)はあるが,理由はなし。
R481.8/ド/『動物系統分類学 10 下 脊椎動物』(115601650)
 p174-188「偶蹄類」の項
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以上が埼玉県立図書館からの回答である。すばらしい、の一言である。これと比較してほしいのが、協会から佐賀県在住の「むつごろふ」さんを通じて佐賀県立図書館に依頼した同じ質問への回答である。

回答お問合せいただきました件について、次の資料に記載がありましたので
ご紹介いたします。

『動物の足跡学入門』(489/Ku,33)熊谷さとし/著 技術評論社

 上記資料は貸出可能です。

みなさんはどちらの図書館に通いたいと思いますか?

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